ベバン(読み)べばん(英語表記)Anearin Bevan

デジタル大辞泉 「ベバン」の意味・読み・例文・類語

ベバン(Aneurin Bevan)

[1897~1960]英国政治家労働党左派指導者アトリー労働党内閣の保健相・労働相を歴任社会保障制度の充実に努めた。

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精選版 日本国語大辞典 「ベバン」の意味・読み・例文・類語

ベバン

  1. ( Aneurin Bevan アナイリン━ ) イギリスの政治家。労働党左派の指導者。通称ナイ=ベバン。炭坑夫出身。人民戦線運動で活躍、第二次世界大戦後アトリー内閣の保健相・労相を歴任。社会保健政策の実現に努めた。(一八九七‐一九六〇

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ベバン」の意味・わかりやすい解説

ベバン
べばん
Anearin Bevan
(1897―1960)

イギリスの労働運動家、政治家。南ウェールズの炭坑労働者の家に生まれ、小学校卒業後、炭坑労働者として働いた。炭坑労働者組合の活動家として頭角を現し、1929年労働党下院議員となった。当初から党内左派に属し、1930年代にはクリップスなどと左派の新聞『トリビューン』を発刊、人民戦線運動も行った。第二次世界大戦中、労働党も参加した連立内閣批判をやめなかったが、1945年労働党内閣が成立すると保健相に就任、国民医療制度の実現に指導力を発揮した。1951年労働相になったものの、3か月後、再軍備のための社会保障費削減に反対して辞任した。その後も左派の中心人物であったが、1956年ごろから左派とたもとを分かっていった。

[木畑洋一]

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改訂新版 世界大百科事典 「ベバン」の意味・わかりやすい解説

ベバン
Aneurin Bevan
生没年:1897-1960

イギリスの労働党左派の政治家。南ウェールズの炭坑夫の息子。14歳で炭坑に入り,組合改革運動のサンディカリスムの影響をうける。中央労働カレッジで学び,1929年労働党所属の国会議員となり,34年同じく炭坑夫の娘で国会議員のジェニー・リーと結婚。左派機関紙《トリビューン》(1937-)の発刊に協力し,統一戦線・人民戦線運動を推進した。第2次大戦後はアトリー内閣の保健相(1945-51)として国民診療制度を導入し,公共住宅の建設を進めた。51年診療の一部有料化に反対して閣僚(当時は労働相)を辞任,ベバニズムと呼ばれる党内左派の中心となる。主著恐怖にかえて》(1952)は民主社会主義の信仰告白であった。55年党首後継争いでゲーツケルに敗れる。左派は混合経済のコンセンサス政治を批判し,冷戦下の軍事優先策に抗議した。しかし57年党大会で〈交渉の場で外相を裸にする〉一方的核廃棄案に背を向け,翌年副党首となり,ベバニズムは終わった。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ベバン」の意味・わかりやすい解説

ベバン
Bevan, Aneurin

[生]1897.11.15. モンマスシャー,トレディーガー
[没]1960.7.6. バッキンガムシャー,チェシャム
イギリスの政治家。炭坑労働者の子で,1910年から鉱山で働き,組合の指導者から 29年労働党下院議員となった。 40~45年『トリビューン』誌の編集長をつとめ,第2次世界大戦後 C.アトリー内閣に保健相として入り,国民医療問題で敏腕をふるった。 51年1月労働相となったが,同年4月再軍備計画のため医療保障が犠牲となることに抗議して辞任。 55年アトリー労働党党首辞任後,党首争いには H.T.N.ゲイツケルに敗れたが,59年副党首に選ばれ,同党左派を指導。自伝"In Place of Fear" (1952) 。

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百科事典マイペディア 「ベバン」の意味・わかりやすい解説

ベバン

英国の政治家。炭坑夫出身。労働組合運動で頭角を現し,1929年下院議員となり労働党左派の指導者となった。1945年保健相に就任し社会保障制度確立に尽力。のち労働相,副党首。党主流の穏和政策には終始批判的で,除名されたこともあった。主著《恐怖に代えて》。

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