ベントス(読み)べんとす(英語表記)benthos

翻訳|benthos

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ベントス」の意味・わかりやすい解説

ベントス
べんとす
benthos

河川・湖沼・海洋など水域で生活する生物の生活形による分類で、水底を生活圏としている生物群の総称。水深と底質の状態に適応して生態や形態はきわめて多様である。底生生物ともいう。岩・石・砂などに固着生活している生物として、褐藻ワカメコンブ、紅藻のアサクサノリ腔腸(こうちょう)動物のサンゴ・イソギンチャク類、海綿動物、節足動物のフジツボ・カメノテなどがある。砂泥中に潜入生活している生物として、環形動物のゴカイ、軟体動物のアサリハマグリなどがある。岩礁や砂泥上を這(は)い回る生物として、節足動物のエビ・カニ類、軟体動物のタコ・サザエ、棘皮(きょくひ)動物のヒトデ・ウニ・ナマコ類などがある。広義にはカレイなどの底生魚類もこの生活形に含まれる。

 底生の海藻や海草は生育に日光を必要とするので、分布は浅所に限られている。動物にはその制約がなく、海洋では深海にまで分布しているが、餌(えさ)の供給量の関係から一般に種数や量は潮間帯でもっとも多く、深くなるにつれ減少する。水生生物の死体が水底に沈降堆積(たいせき)すると、これを分解する役目のバクテリアが活動するが、これも重要な底生生物である。

[佐野 昭・高橋正征]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ベントス」の意味・わかりやすい解説

ベントス

底生生物」のページをご覧ください。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報