改訂新版 世界大百科事典 「ベーシー」の意味・わかりやすい解説
ベーシー
William Basie
生没年:1904-84
アメリカの黒人ピアニスト,バンド・リーダー。〈カウント・ベーシーCount Basie〉として名高い。ニュージャージー州レッド・バンクの生れ。少年時代ピアノを志してからニューヨークのハーレムに行き,ハーレム・スタイルの奏法をマスター。ファッツ・ウォーラーにはオルガン奏法も習った。22歳のときミンストレル・ショーと巡業,オクラホマ州タルサで一座が解散した後,巡業してきたウォルター・ページのブルー・デビルスに入り,カンザス・シティでベニー・モーテン楽団に吸収された。1935年モーテンの死後,分裂したバンドの一つを率いてベーシー楽団をつくり,ニューヨークに進出,デッカ・レコードを通じて人気バンドになった。50年に不況のため一時コンボに縮小したが,52年再びビッグ・バンドを編成,84年4月死去するまで変わらぬ人気を持続した。代表作は《黄金時代のベーシー》(MCA=デッカ),《アトミック・ベーシー》《イージン・イット》(ともにルーレット),《ベーシー・イン・ロンドン》(バーブ),《88ベーシー・ストリート》(パブロ)など。
執筆者:油井 正一
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報