ペキンパー(読み)ぺきんぱー(その他表記)Sam Peckinpah

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ペキンパー」の意味・わかりやすい解説

ペキンパー
ぺきんぱー
Sam Peckinpah
(1925―1984)

アメリカの映画監督カリフォルニア州フレズノ生まれ。ドン・シーゲル監督に師事し、テレビや映画のシナリオを書くようになり、1961年の『荒野ガンマン』で長編劇映画の監督となった。『ワイルドバンチ』(1969)、『砂漠の流れ者』(1970)などの西部劇、『わらの犬』(1971)、『ゲッタウェイ』(1972)などの現代を描くアクション映画に、それぞれ一時代を画する作品を残した。美しいスローモーションや斬新(ざんしん)な編集のテクニックを生かして、アウトサイダーたちの心情を激しい暴力描写とともに映像化した作品が多い。

[岡島尚志]

資料 監督作品一覧

荒野のガンマン The Deadly Companions(1961)
昼下りの決斗 Ride the High Country(1962)
ダンディー少佐 Major Dundee(1965)
ワイルドバンチ The Wild Bunch(1969)
砂漠の流れ者 The Ballad of Cable Hogue(1970)
わらの犬 Straw Dog(1971)
ジュニア・ボナー 華麗なる挑戦 Junior Bonner(1972)
ゲッタウェイ The Getaway(1972)
ビリー・ザ・キッド 21才の生涯 Pat Garret and Billy the Kid(1973)
ガルシアの首 Bring Me the Head of Alfred Garcia(1974)
キラー・エリート The Killer Elite(1975)
戦争はらわた Cross of Iron(1976)
コンボイ Convoy(1978)
バイオレント・サタデー The Osterman Weekend(1983)

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百科事典マイペディア 「ペキンパー」の意味・わかりやすい解説

ペキンパー

米国の映画監督。カリフォルニア州生れ。D.シーゲル監督に師事した後,監督となる。時代に取り残された2人の老ガンマンの物語《昼下がりの決闘》(1962年)で注目され,初老中年のガンマンたちが流れ着いたメキシコで壮絶に死んでゆくさまを描いた《ワイルドバンチ》(1969年)で評価を決定づける。ともにかつての西部劇への挽歌を思わせるもので,その後の作品の基調をなした。また,スローモーションを多用した激しい暴力描写は,後の監督に影響を与えた。他の作品にD.ホフマン主演の《わらの犬》(1971年),S.マックィーン主演の逃亡劇《ゲッタウェイ》(1972年),賞金稼ぎの物語《ガルシアの首》(1974年),第2次大戦のロシア戦線を舞台にした《戦争のはらわた》(1975年)などがある。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ペキンパー」の意味・わかりやすい解説

ペキンパー
Peckinpah, Sam

[生]1925.2.21. カリフォルニア
[没]1984.12.28. メキシコ
アメリカの映画監督。舞台,テレビの演出を経て,1961年映画監督デビュー。 62年,西部劇『昼下がりの決闘』 Gun in the afternoonで注目を浴び,69年,残酷きわまる殺戮シーンを展開した『ワイルド・バンチ』 The Wild Bunchでバイオレンスの美学を貫く作風を確立した。ほかに『わらの犬』 Straw Dogs (1971) ,『ゲッタウェイ』 The Getaway (72) ,『バイオレント・サタデー』 The Osterman Weekend (83) など。

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