ドイツの植物学者。ライプツィヒの楽器商・楽譜出版業者の子として生まれる。正規の大学教育は受けなかったが、植物好きの父の影響とシュライデンの著作に刺激されて、家業のかたわら独学で植物学の研究を続けた。1848年、細胞分裂の際に核が消失して糸状の構造(染色体)が現れ、のち2個の核が形成されることを初めて示した。また著書『顕花植物の胚(はい)の発生』(1849)のなかで、植物胚は胚嚢(はいのう)内に存在する1個の細胞がもととなって形成されることを示して学界の注目を浴びた。主著『高等隠花植物の発芽・発育・結実と球果類の種子形成との比較研究』(1851)は、コケ類、シダ類、種子植物の世代交代の事実を明らかにしたものである。ハイデルベルク大学(1863)、チュービンゲン大学(1872)の教授を歴任したが、その際も、家業は継続した。
[檜木田辰彦]
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