ホーキンズ(読み)ほーきんず(英語表記)John Hawkins

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ホーキンズ」の意味・わかりやすい解説

ホーキンズ
Hawkins(Hawkyns), Sir John

[生]1532. プリマス
[没]1595.11.12. プエルトリコ沖
イギリスの奴隷商人,海軍軍人。父ウィリアム,兄ウィリアムはともに船長,貿易商人でプリマス市長。父の跡を継ぎ,アフリカでの交易に従事,ギニー海岸でポルトガル商人から奪った黒人を南アメリカで売ってイギリス最初の奴隷売買を行い (1562~64) ,ポルトガル,スペインの商人を刺激し,メキシコのスペイン植民地で船を没収された。 1577年から海軍省に勤め,イギリス海軍の改良に貢献,船員のために病院を建設。 88年提督としてスペインの無敵艦隊と戦い,ナイト爵を叙爵。 95年 F.ドレークとともに 27隻の船舶を率いてスペイン領西インド諸島の襲撃を試みたが,プエルトリコ上陸前夜に病死

ホーキンズ
Hawkins(Hawkyns), Sir Richard

[生]1560頃
[没]1622.4.18. ロンドン
イギリスの航海者,海軍軍人。 J.ホーキンズの子。 1585~86年 F.ドレークの西インド遠征に参加しスペイン船を襲撃。 88年スペインの無敵艦隊との戦闘に参加。 90年父に従ってスペイン海岸を襲撃。 93年6月プリマスから世界周航に出帆し,南アメリカの南端を回って西海岸を北上中,94年6月ペルー沖でスペイン艦隊と戦って重傷を負い,捕虜になってスペインに連行された。 1602年釈放されイギリスに帰還。翌年プリマス市長に選出された。 04年海軍副司令官。 20年アルジェリアのバーバリー海賊を攻撃するための遠征艦隊に参加した。

ホーキンズ
Hawkins, Eric

[生]1909. コロラド,トリニダード
[没]1994.11.23. ニューヨーク
アメリカの舞踊家。バレエ・ダンサーとして出発し,1935年からアメリカン・バレエ・シアター,バレエ・キャラバンなどに在籍。 38年 M.グラハム舞踊団に入り,グラハムの相手役としてモダン・ダンス界で活躍,2年間グラハムと結婚生活を過した。 51年から作曲家 L.ドルゴゼウスキーや彫刻家 R.ドラジオと組んで小舞踊団を結成,"Here and Now with Watchers " (1957) などアブストラクト作品を作って世界を巡演した。

ホーキンズ
Hawkins, Coleman

[生]1904.11.21. ミズーリセントジョーゼフ
[没]1969.5.19. ニューヨーク
アメリカのジャズテナーサックス奏者。 10代後半で楽界入りし,1923年にフレッチャー・ヘンダーソン楽団に参加。 34年には単身渡欧,39年に帰国。代表ヒット曲は,『ボディ・アンド・ソウル』。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ホーキンズ」の意味・わかりやすい解説

ホーキンズ(John Hawkins)
ほーきんず
John Hawkins
(1532―1595)

イギリスの私掠(しりゃく)船長、提督。プリマスの商人の子に生まれる。奴隷貿易商人の草分けで、1562~63年、西アフリカで黒人をかどわかし、西インドのスペイン人植民者に売却して巨利を博した。ドレークも参加した第3回航海(1567~69)でスペイン艦隊に襲われ、財宝も船も失ってからはしばらく船を離れ、72年国会議員になり、78年には海軍財務長官に就任して軍艦の改善に尽くした。88年スペインのアルマダ(無敵艦隊)の来襲時には司令官の1人として参戦し、ナイトに叙された。90年にはフロビッシャーとともにポルトガル遠征艦隊の指揮官を務めたが、5年後ドレークとともに西インド遠征航海に赴き、船上で病没。

[松村 赳]


ホーキンズ(Richard Hawkins)
ほーきんず
Richard Hawkins
(1562?―1622)

イギリスの私掠(しりゃく)船長、提督。ジョンの子。1585~86年のドレークの西インド遠征に参加し、88年のスペインのアルマダ(無敵艦隊)の来襲時には艦長として従軍した。90年の父のポルトガル遠征にも参加。93年大西洋を南下し、マゼラン海峡を経てメキシコ太平洋岸のスペイン人植民地を襲い、財宝を奪ったが、翌年負傷して投降、まもなくスペインに送られ、1602年まで投獄された。帰国後はナイトに叙され、国会議員に選ばれた。20~21年アルジェリア海賊に対する討伐艦隊の副司令官を務めた。『南海航海記・1593年』(1622)の著書がある。

[松村 赳]


ホーキンズ(Coleman Hawkins)
ほーきんず
Coleman Hawkins
(1904―1969)

アメリカのジャズ・テナーサックス奏者。ミズーリ州生まれ。1923年フレッチャー・ヘンダーソン楽団に参加。34年に退団し、ヨーロッパに渡って活躍、39年に帰国。彼独自のスタイルと優れた演奏によってテナーサックスをジャズの重要な楽器とした偉大な先駆者。40年代にはビ・バップを理解して演奏。その発展にも寄与した。

[青木 啓]

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