ボーグ(読み)ぼーぐ(その他表記)Vogue

デジタル大辞泉 「ボーグ」の意味・読み・例文・類語

ボーグ(〈フランス〉vogue)

流行人気

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精選版 日本国語大辞典 「ボーグ」の意味・読み・例文・類語

ボーグ

  1. 〘 名詞 〙 ( [フランス語] vogue ) 流行。はやり。時流。特に、ファッション界の最新の流行をいう。
    1. [初出の実例]「表現派のお化粧は奇抜を通り越してホリブルだ。〈略〉モダーンも爰まで徹底しないと改造時代のヴォーグとは云はれない」(出典:読書放浪(1933)〈内田魯庵〉窓から眺める・銀ぶら)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ボーグ」の意味・わかりやすい解説

ボーグ
ぼーぐ
Vogue

女性モード・ライフスタイル誌(月刊)。『ヴォーグ』とも表記される。1892年12月にアメリカ社交界向けの雑誌として創刊され、1909年弁護士から出版業界に転じたコンデ・ナストCondé Nast(1873―1942)に買収されて以来、本格的なファッション雑誌として飛躍的な発展を遂げた。アメリカ版のほかに、フランスイギリスイタリアスペインなどの各国版がある。リチャード・アベドンらボーグ写真家により一時代を画したが、1950年代以降オートクチュール中心のハイファッションが下火になり、女性の社会進出が盛んになるにつれ、モード誌も時代に即応した変身を強いられることになる。同誌の編集部にも、それまでの上流階級令嬢の花嫁修行ではなく、歴としたキャリアウーマンを目ざす女性が進出、その典型例がのちに独立してみずからの雑誌『ミラベラ』を創刊することになるグレース・ミラベラGrace Mirabella(1929―2021。1971年から1988年まで『ボーグ』編集長)であった。1985年、アメリカ版『エル』の出現がファッション雑誌界を震撼(しんかん)させ、後に『ボーグ』は編集長の交代とさらなる紙面刷新によって若返りを図ることとなる。日本では、コンデナスト社と日本経済新聞社との合弁会社日経コンデナストより、1999年(平成11)に日本版『VOGUE NIPPON』が創刊された。フランス、イタリアには男性版『ボーグ』誌もある。本国版の平均発行部数は約114万部(1999)。

[矢野浩三郎]

『グレース・ミラベラ著、実川元子訳『ヴォーグで見たヴォーグ』(文春文庫)』

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百科事典マイペディア 「ボーグ」の意味・わかりやすい解説

ボーグ

1892年米国で創刊されたファッション雑誌。当初は社交界とファッションと華やかな生活を伝える格式ある週刊誌としてスタートし,大富豪ヨーロッパからやってきた貴族の夫人たちに向けてのファッションや社交界情報が中心であった。1909年出版業者コンデ・ナストConde Nastによって買収され,本格的なファッション雑誌となった。1916年英国版,1922年フランス版,続けてオーストラリア,スペイン,ドイツ版などが出版された。第2次世界大戦後,既製服産業の隆盛によって一般にもファッションへの関心が高まり,シンプルでカジュアルな服が求められ,《ボーグ》も働く女性を対象とするようになった。ファッションだけでなく美術文学,写真など同時代の文化にも目が注がれ,《ボーグ》からは数多くのデザイナーやファッション写真家が育っている。
→関連項目アベドンクラインスタイケンナショナル・ジオグラフィックニュートンビートンペンローウィ

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改訂新版 世界大百科事典 「ボーグ」の意味・わかりやすい解説

ボーグ
Vogue

アメリカのファッション雑誌。1893年にアメリカで発刊された。初めは社交界向けの雑誌であったが,1909年にこれを買い取ったナストCondé Nastが本格的なファッション誌とした。16年にはイギリス版,22年にはフランス版が出された。チェースEdna Woolman Chaseという女性編集長のもとに《ボーグ》は代表的なファッション誌となった。彼女は1914年から45年までその職にあった。32年には,C.スノーが《ボーグ》から引き抜かれてライバル誌《ハーパース・バザーHarper's Bazaar》の編集長となり,両誌が競ってともに大部数となった。この時期から《ボーグ》は,高級ファッションだけでなく,若い働く女性のための大衆的なファッションにも力を注ぐようになり,さらに,単なるファッション情報誌ではなく,同時代の文化に広く目を配り,コナン・ドイルやトルーマン・カポーティなどの作家が寄稿していて,そのバックナンバーは一つの文化史となっている。
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デジタル大辞泉プラス 「ボーグ」の解説

ボーグ

アメリカのSFテレビドラマ・映画シリーズ「スタートレック」に登場する機械生命体。さまざまな種族の所属の科学技術や知識を吸収する目的で、「同化」と呼ばれる強制的なサイボーグ化による侵略活動をおこなう。

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世界大百科事典(旧版)内のボーグの言及

【ビートン】より

…写真には子どものころから親しんでいたが,1930年代にはファッション写真家として活躍するようになった。《ボーグ》《ハーパーズ・バザー》などの雑誌に発表した写真は,華麗で幻想的な独特の演出によるもので,新しいファッション写真のスタイルを作り出している。また第2次世界大戦に従軍し,すぐれた戦争写真も撮った。…

【ローリング・トウェンティーズ】より

G.シャネル(ココ・シャネル)は働く女性のためのファッションを売り出した。《ボーグ》や《ハーパーズ・バザー》といったファッション誌によって,パリ・ファッションはアメリカ中に伝わった。毎年,新しい形が発表されるというシステムもこの時期に確立される。…

※「ボーグ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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