アメリカの社会学者。日本および中国問題の研究者。オハイオ州生まれ。1958年にハーバード大学から博士号を取得。1960年エール大学助教授、1961年ハーバード大学博士研究員、1967年同大学教授、1972~1977年同大学東アジア研究センター所長などを歴任。その後、同大学名誉教授。1958年(昭和33)から1960年にかけて来日し、都市新中間層を対象として家族関係、生活意識、社会構造に関する社会調査を行い、『日本の新中間階級』(1963)を刊行した。1979年に刊行した『ジャパン・アズ・ナンバーワン』は、日米社会の比較を通じて、日本が経済的側面だけでなく、社会的側面を含めて、脱工業化社会への適応をより的確に行っていることを指摘し、社会学の領域にとどまらず、日本社会、日本的経営慣行に関心をもつ多くの人々の注目を集めた。1996年(平成8)、国際交流基金賞(日本)受賞。2000年に大学を退官したが、その後も東アジア研究を続けた。
[本間康平]
『佐々木徹郎訳編『日本の新中間階級――サラリーマンとその家族』(1968/新装版・1979・誠信書房)』▽『広中和歌子・木本彰子訳『ジャパン・アズ・ナンバーワン――アメリカへの教訓』(1979・TBSブリタニカ/新版・2004・阪急コミュニケーションズ)』▽『エズラ・F・ヴォーゲル著、上田惇生訳『ジャパン・アズ・ナンバーワン再考――日本の成功とアメリカのカムバック』(1985・TBSブリタニカ)』▽『エズラ・F・ヴォーゲル著、中島嶺雄監訳『中国の実験――改革下の広東』(1991・日本経済新聞社)』▽『E・ヴォーゲル、仲津真治著『ハイブリッド国家日本の創造――新時代への道しるべとアメリカの再生から学ぶこと』(1997・ぎょうせい)』▽『エズラ・F・ヴォーゲル著、福島範昌訳『ジャパン・アズ・ナンバーワン――それからどうなった』(2000・たちばな出版)』▽『城山三郎、E・ヴォーゲル著『日米互いに何を学ぶか』(講談社文庫)』▽『エズラ・F・ヴォーゲル著、渡辺利夫訳『アジア四小竜――いかにして今日を築いたか』(中公新書)』▽『E・ヴォーゲル、橋爪大三郎著『ヴォーゲル、日本とアジアを語る』(平凡社新書)』
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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