日本大百科全書(ニッポニカ) 「ボール盤」の意味・わかりやすい解説
ボール盤
ぼーるばん
boring machine
主としてドリルを用いて工作物に穴あけ加工を施す工作機械。語源は、オランダ語のboor-bankといわれている。工具には回転切削運動を与えると同時に送り運動を行わせる。ドリルによる穴あけのほかに、さらざぐり、ざぐり、タップ立て、リーマ仕上げ、深ざぐり、センター穴あけ、中ぐりなどの作業を行うことができる。ボール盤はもっとも広く用いられる工作機械で、種類も多く、直立ボール盤、ラジアルボール盤、卓上ボール盤、多軸ボール盤、多頭ボール盤、深穴ボール盤、ガーダーボール盤、ポータブルボール盤などがある。このうち多用されている機種は直立ボール盤、ラジアルボール盤、卓上ボール盤である。直立ボール盤は比較的小型の工作物を加工するのに適しており、主軸の位置が固定しているため、工作物を動かしてその位置決めを行う。ラジアルボール盤が用いられるのは工作物が大型で移動が困難な場合、または普通のボール盤主軸が穴あけ位置まで届かない場合などで、主軸頭が取り付けられたアームをコラムの周りに旋回させて位置決めし、穴加工を行う。卓上ボール盤は作業台上に据え付けて使用する小形のボール盤で、小形の工作物の穴あけを対象とした作業が行われる。
[清水伸二]