ポラック(読み)ぽらっく(英語表記)Sydney Pollack

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ポラック」の意味・わかりやすい解説

ポラック(Sydney Pollack)
ぽらっく
Sydney Pollack
(1934―2008)

アメリカの映画監督。インディアナ州生まれ。サウス・ベンドセントラル・ハイスクールを卒業後ニューヨークに出て、テレビドラマ『プレイハウス90』に出演して成功する。1960年ハリウッドに行き、テレビドラマの監督として活躍、カリフォルニア大学で戯曲『P. S. 193』を演出。1963年イタリア映画『山猫』の英語版を手がけ、1965年『いのちの紐(ひも)』で映画監督としてデビュー。1967年『インディアン狩り』、1969年『ひとりぼっち青春』など、ヒューマニズム基調にした1960年代のアメリカの苦悩を作品化した。1972年『大いなる勇者』ではベトナム戦争、ウォーターゲート事件など、アメリカの夢の崩壊と知識人の苦悩を描いた。1985年『愛と哀しみの果て』でアカデミー監督賞。後年プロデューサーとしても活躍し、1990年『推定無罪』、1993年『ザ・ファーム 法律事務所』などの社会派作品を世に送った。

[編集部]

資料 監督作品一覧

いのちの紐 The Slender Thread(1965)
雨のニューオリンズ This Property Is Condemned(1966)
インディアン狩り The Scalphunters(1967)
泳ぐひと The Swimmer(1968)
ひとりぼっちの青春 They Shoot Horses, Don't They?(1969)
大反撃 Castle Keep(1969)
大いなる勇者 Jeremiah Johnson(1972)
追憶 The Way We Were(1973)
ザ・ヤクザ The Yakuza(1974)
コンドル Three Days of the Condor(1975)
ボビー・デアフィールド Bobby Deerfield(1977)
出逢い The Electric Horseman(1979)
スクープ 悪意の不在 Absence of Malice(1981)
トッツィー Tootsie(1982)
愛と哀しみの果て Out of Africa(1985)
ハバナ Havana(1990)
ザ・ファーム 法律事務所 The Firm(1993)
サブリナ Sabrina(1995)
ランダム・ハーツ Random Hearts(1999)
ザ・インタープリター The Interpreter(2005)
スケッチ・オブ・フランク・ゲーリー Sketches of Frank Gehry(2005)


ポラック(海水魚)
ぽらっく
pollack
[学] Pollachius pollachius

硬骨魚綱タラ目タラ科Gadidaeの海水魚の総称北大西洋のヨーロッパ側、北海、北極海に広く分布する。マダラに似ているが、目が大きく、下顎(かがく)が上顎より突出し、先端にひげがない。体は背面が濃緑褐色、側面が黄色みを帯び、腹びれを除いて各ひれが暗色である。

 若魚となって約3年間は沿岸近くの岩礁地帯で小さな群れをつくってすむが、大きくなると水深40~100メートルの沖合に移り、単独で生活する。2~5月に水深およそ150メートルで産卵する。5年で52~63センチメートル、8年で75センチメートルほどになり、最大で全長約130センチメートルになる。おもに魚類を、それ以外にイカ類や甲殻類を食べる。体重9キログラムぐらいまでの魚体が釣りの対象魚として人気がある。フランス、スペイン、イギリス、ノルウェー、デンマーク、アイルランドなどで、底層・中層トロール、延縄(はえなわ)、刺網などで漁獲され、鮮魚、冷凍魚として流通する。

 アメリカで一般にポラックとよばれる近縁種のセイスSaithe/Pollachius virensは、下顎に短いひげがあること、第1背びれと第2背びれの間の下では側線の溝がないことなどでポラックと区別できる。アメリカ、ヨーロッパ両岸に広く分布する。ポラック、コッド、ハドックと同様に水産重要種である。

[落合 明・尼岡邦夫]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ポラック」の意味・わかりやすい解説

ポラック
Pollack, Sydney Irwin

[生]1934.7.1. インディアナ,ラフェーエット
[没]2008.5.26. カリフォルニア,パシフィックパリセーズ
アメリカ合衆国の映画監督。俳優,テレビ演出家を経て,1965年『いのちの紐』The Slender Thereadで監督デビュー。以後,おもにアメリカの矛盾や苦悩を反映した作品を手がけた。主作品は『ひとりぼっちの青春』They Shoot Horses,Don't They?(1969),『大いなる勇者』Jeremiah Jhonson(1972),『追憶』The Way We Were(1973),『トッツィー』Tootsie(1982)など。1985年『愛と哀しみの果て』Out of Africaでアカデミー賞の監督賞と作品賞を受賞。

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