マイノット(読み)まいのっと(英語表記)George Richards Minot

日本大百科全書(ニッポニカ) 「マイノット」の意味・わかりやすい解説

マイノット
まいのっと
George Richards Minot
(1885―1950)

アメリカの内科医血液病学者。ボストンの生まれ。1912年ハーバード大学を卒業し、1928年同大学内科学教授となる。そのころ彼は、ロチェスター大学の病理学教授ホイップルが二次性貧血イヌ肝臓食で改善させた研究報告を知り、助手マーフィーとの共同研究で、悪性貧血、低色素性貧血、顆粒(かりゅう)球減少症などの患者にこの治療法を応用した。その結果、よい成績をあげ、1926年に「特別食による貧血療法」として発表した。1934年、マイノットは、ホイップル、マーフィーとともに、ノーベル医学生理学賞を受けた。彼は終生血液疾患の研究を続け、糖尿病を患っていたが、1922年からインスリン注射で延命し、内外の多くの栄誉を受けた。

古川 明]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「マイノット」の意味・わかりやすい解説

マイノット
Minot, George Richards

[生]1885.12.2. ボストン
[没]1950.2.25. マサチューセッツ,ブルックライン
アメリカの医師。 1912年ハーバード大学卒業。 15~23年マサチューセッツ総合病院に勤務し,輸血と血液病を研究。 28年にハーバード大学医学部教授となり,ボストン市立病院院長およびソーンダイク記念研究所所長を兼任。 26年にウシの肝臓を主とした肝臓食で悪性貧血患者の治療に初めて成功。この功績により W.マーフィー病理学者 G.ホイップルとともに,34年ノーベル生理学・医学賞を受賞

マイノット
Minot

アメリカ合衆国,ノースダコタ州北西部の都市。カナダ国境まで約 80kmの地で,スーリー川南岸にある。 1886年にグレートノーザン鉄道の工事場が市の起源になった。現在は地方の商業中心地で,農産物加工が市の経済を支えている。付近に褐炭,石油の産地がある。空軍基地,州立教員養成大学の所在地。人口3万 4544 (1990) 。

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