マウルブロン修道院(読み)マウルブロンしゅうどういん(英語表記)Kloster Maulbronn

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「マウルブロン修道院」の意味・わかりやすい解説

マウルブロン修道院
マウルブロンしゅうどういん
Kloster Maulbronn

ドイツ南西部,バーデンウュルテンベルク州のザルツァハの谷にあるドイツ最初のシトー会修道院。 1147年修道士たちによって聖堂の建設が始められ,その後全長 850mの周壁を築き,その内側に鍛治場や製粉場,食堂など生活に必要な建物を建てた。聖堂はラテン十字形の平面に小型の塔を立てたロマネスク様式で,内装も簡素・厳格というシトー会の方針にそったものになっている。しかし 13世紀初めにつくられた聖堂の柱廊玄関ホールにはゴシック様式がみられ,ドイツにおけるゴシック様式の先駆となっている。また聖堂の天井も,創建当時の平天井から 1424年には網状穹窿に改築された。中庭に張り出した水場は「泉の礼拝堂」と呼ばれる。 1504年にウルリヒ・フォン・ウュルテンベルク公に接収されたのち,修道院は衰退し,1556年にはプロテスタントの神学校となった。ドイツ最大の詩人の一人である J.C.F.ヘルダーリーンや,文学者 H.ヘッセらが学んだ学校としても知られる。 1993年世界遺産の文化遺産に登録。

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