マレンツィオ(読み)まれんつぃお(英語表記)Luca Marenzio

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「マレンツィオ」の意味・わかりやすい解説

マレンツィオ
Marenzio, Luca

[生]1553. ブレシア近郊コッカグリオ
[没]1599.8.22. ローマ
イタリアの作曲家。ブレシア大聖堂の少年聖歌隊員となり,1578~86年はローマの枢機卿エステ家のルイジに,88年にはフィレンツェの G.バルディ伯に仕え,その後もローマ,ポーランドベネチア貴族に仕えたが,最後にローマ教皇の音楽家となった。 16世紀最大のマドリガル作曲家の一人で,大胆な半音階法を用いて,C.モンテベルディや C.ジェズアルドに影響を与え,多くの作品が翻訳を通じてイギリスでも愛唱された。主作品は4,5,6,7,12声のマドリガル,モテト,ビラネラのほか教会音楽など。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「マレンツィオ」の意味・わかりやすい解説

マレンツィオ
まれんつぃお
Luca Marenzio
(1553/1554―1599)

イタリアの作曲家。ローマで枢機卿(すうききょう)ルイジ・デステらに仕えたほか、フェッラーラマントバ、フィレンツェなどの宮廷にも招かれるなど、生涯ほとんどイタリアを出ることはなかった。ジェズアルドやモンテベルディとともに、後期マドリガーレ(多声歌曲)の最大の作曲家の1人であり、その4、5、6声による多数のマドリガーレは、均整のとれたポリフォニー書法を基礎とし、気品あふれた格調高い性格を示している。また三声の世俗声楽曲ビラネッラ(「田舎(いなか)歌」の意)も多数書いたほか、宗教的マドリガーレやモテトゥスの分野でもいくつかの作品を残している。

[今谷和徳]

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