シンフォニア

デジタル大辞泉 「シンフォニア」の意味・読み・例文・類語

シンフォニア(〈イタリア〉sinfonia)

交響曲
17世紀から18世紀にかけて、オペラオラトリオなどの序曲あるいは間奏曲として用いられた。また、演奏会用に作られた独立器楽曲
[補説]作品名別項。→シンフォニア

シンフォニア【Sinfonia】[曲名]

ベリオ管弦楽曲。1968年作曲、翌年改訂。8人の混声重唱をともなう。歌詞に文化人類学者レビ=ストロース著作マーラー作曲の交響曲復活」の歌詞の一部引用作者代表作として知られる。

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精選版 日本国語大辞典 「シンフォニア」の意味・読み・例文・類語

シンフォニア

  1. 〘 名詞 〙 ( [イタリア語] sinfonia 「共に響く」の意 )
  2. シンフォニー
  3. 一七世紀後半以降に発達した多楽章形式の器楽曲の総称。特に、近代的なシンフォニーの母体となったイタリア風序曲をいう。

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百科事典マイペディア 「シンフォニア」の意味・わかりやすい解説

シンフォニア

バロック時代のオーケストラによる序曲性格の音楽。定まった形式はなかったが,17世紀末のA.スカルラッティによってオペラのシンフォニアは定型化し(急−緩−急の3楽章で構成された〈イタリア風序曲〉),その後は独立して演奏されるレパートリーとして交響曲(シンフォニー)へと発展する。A.スカルラッティのほかサンマルティーニ,〈マンハイム楽派〉を代表するシュターミツらがこの移行期にすぐれた作品を残した。語源のギリシア語シュンフォニアは協和音のこと。
→関連項目オペラビバルディ

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改訂新版 世界大百科事典 「シンフォニア」の意味・わかりやすい解説

シンフォニア
sinfonia

イタリア語で交響曲をさすほか,イタリア起源のさまざまな楽曲の名称としても使われた語。なかでも重要なのは17世紀末の〈イタリア風序曲〉で,これをシンフォニアと呼んだ。急-緩(舞曲風の)-急の3楽章からなり,本来はオペラの序曲で,のち単独に演奏されるようにもなった。また並行して演奏会用の作品としてのシンフォニアも作曲され,それらが交響曲へと発展してゆく。

 ルネサンス末期からバロックにかけてはある種の合奏音楽をさした。カンツォーナソナタなどの合奏曲と同義に扱われたこともあり,明確な区別はしがたい。概してオペラやカンタータなどの声楽曲におけるオーケストラだけの部分,それもとくに導入的な部分をさす。また組曲の冒頭楽章にも名付けられたがそれらはしだいに序曲としての性格を強めてゆく。なおバロック時代の独奏鍵盤音楽でも,前奏曲,組曲の冒頭楽章(例えばJ.S.バッハの《パルティータ第2番》)などに用例がある。バッハは《3声のインベンション》をみずからシンフォニアと名付けた。
交響曲
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シンフォニア」の意味・わかりやすい解説

シンフォニア
simfonia

語源的には「ともに鳴り響く」こと。おもにバロック時代 (1600頃~1750頃) の器楽合奏曲をさす。その形式,あるいは様式は一定しないが,初期バロックではオペラやカンタータなどの声楽曲の序または中間に挿入される器楽曲のことを一般にシンフォニアと呼んだ。一方,単独の器楽曲として,ソナタやカンツォーナなどと同等の形式内容をもつシンフォニアも存在した。 17世紀末頃にシンフォニアは,A.スカルラッティによってイタリア風オペラの序曲として形を整えられた。その急-緩-急という楽章配置とホモフォニックな様式は,あとに続く交響曲の発展を導く要因となった。なお,シンフォニアは,このほか交響曲と同義に用いられることもある。またバッハは,3声のインベンションに対する名称として用いている。

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世界大百科事典(旧版)内のシンフォニアの言及

【交響曲】より

… 18世紀における交響曲の概念は今日のそれと必ずしも一致しない。交響曲と他の諸ジャンルとの様式的差異はかなり明らかになりつつはあったが,〈シンフォニー〉〈シンフォニア〉〈序曲〉という名称はしばしば混用され,これら3者の境界はときとしてかなりあいまいなままであった。交響曲という不可侵の威厳が確立されていたわけでもなかった。…

【序曲】より

…17世紀末に,この書法とは対照的な急―緩―急の部分からなる様式の〈イタリア風序曲〉が登場した。ナポリ楽派の始祖ともされるA.スカルラッティが取り入れたこの様式は軽快で,ホモフォニックな書法を特徴とし,シンフォニアとも呼ばれて,やがて18世紀の交響曲やソナタの形成に大きな影響力をもった。 古典派に入ると序曲とオペラ本体との有機的な結びつきが強調され,しばしば内容の雰囲気を予示する役割を担った。…

※「シンフォニア」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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