改訂新版 世界大百科事典 「マンバ」の意味・わかりやすい解説
マンバ
mamba
コブラ科マンバ属Dendroaspisに属するきわめて危険な毒ヘビの総称。4種が北部を除くアフリカに広く分布する。そのうちブラックマンバD.polylepisは全長3m,最大4.5mに達する大型で,世界でもっとも危険な毒ヘビの一つとされる。頭部が細長く形態的には無毒ヘビと大差なく,体色は灰褐色から黒褐色まで変異がある。地上生で,致命的な強い神経毒と,ブッシュの中ではもっとも速く走る動物といわれる敏しょうな行動でおそれられる。岩の間や倒木の空洞に巣穴をつくり,接近するものを攻撃するが,とくに繁殖期には気が荒くなる。卵生で春から初夏にかけて9~14個ほどを産卵する。
グリーンマンバD.angusticepsは全長2~3m,緑色の美しい種で,樹上生。行動が敏しょうで毒性も強いが,性質はおとなしく,進んで攻撃をしかけることはない。ジェイムソンマンバD.jamesoniとニシアフリカマンバD.viridisはともに全長2~2.5m,体色は黄色から緑色で,地上または樹上にすむ。いずれも小哺乳類,鳥,トカゲ類を食べる。
執筆者:松井 孝爾
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報