日本大百科全書(ニッポニカ) 「マーハ」の意味・わかりやすい解説
マーハ
まーは
Karel Hynek Mácha
(1810―1836)
チェコスロバキアの詩人。貧しい家庭に育ちながらも勉学に努め、大学も法学部から哲学部へと短い生涯のほとんどを学生として送り、卒業後まもなく世を去った。19世紀前半の愛国的ロマン派の代表とされ、同時にチェコを代表する詩人の1人でもある。ギムナジウム時代からドイツ語の詩を書いたが、大学進学後は母国語であるチェコ語で詩をつくり始め、自然と祖国を美しく歌い上げた。生前公刊されたのは、叙情詩的叙事詩『マーイ(5月)』(1836)一編だけであるが、これは彼の名を不朽にし、以後のチェコ語の詩体を確立した。死後、多くの叙情詩や書簡などが編集され、小説『ジプシーたち』(1867)なども公刊されている。
[飯島 周]