ミクサート(その他表記)Mikszáth Kálmán

改訂新版 世界大百科事典 「ミクサート」の意味・わかりやすい解説

ミクサート
Mikszáth Kálmán
生没年:1847-1910

ハンガリー作家。地方で法律の仕事のかたわら,短編各誌に送っていたが,やがて文筆活動に専念すべく新聞記者となり,各地を転々とする。80年にペシュト(現,ブダペスト)に出,郷土スロバキア農民の日常的悲劇をテーマとした短編集《スロバキアの親類たち》(1881)で文壇に認められた。その後,ロマンティックな作風の《聖ペテロの雨傘》(1895)や,風刺的社会小説《特別な結婚》(1900)などで人気作家となった。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ミクサート」の意味・わかりやすい解説

ミクサート
Mikszáth Kálmán

[生]1847.1.16. スクラボニヤ
[没]1910.5.28. ブダペスト
ハンガリーの小説家。新聞記者として国内各地を転々としながら小説を発表,農民生活に取材した短編小説『スロバキアの親類たち』A tót atyafiak (1881) によって文名を確立した。以後,多くの長短編小説を発表。貴族社会の没落過程や,官吏人民接触を鋭い目で観察し,それらを皮肉なユーモアを交えて巧みに描いた。長編小説『聖ペテロの雨傘』 Szent Péter esernyöje (95) ,『奇妙な結婚』 Különös házasság (1900) ,『年老いた悪党』A vén gazember (06) などのほか,多くの短編集がある。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ミクサート」の意味・わかりやすい解説

ミクサート
みくさーと
Mikszáth Kálmán
(1847―1910)

ハンガリーの小説家。20代から作品を書いていたが認められず、新聞記者などをして各地を転々とした。1881年に短編集『スロバキア人の親類』を出し、一躍流行作家になる。初期ロマン主義の強い作風から、『特別な結婚』(1900)、『トート・マリアとの関係、ノスティの息子の場合』(1908)など、民衆の日常的な悲劇をリアルに生き生きと巧みな語り口で描き出す作風に脱皮し、封建貴族の保守性を風刺する作品を数多く書いた。

[岩崎悦子]

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世界大百科事典(旧版)内のミクサートの言及

【ハンガリー】より

… この後,1867年にオーストリアとのアウスグライヒ(妥協)により二重帝国が形成され,醒めた現実政治により経済的安定がもたらされ,散文が開花する市民社会の時代を迎えた。ロマンティシズムの作品を数多く書いたヨーカイ,リアリズム小説の先駆者ミクサートが国民的人気作家となったゆえんである。劇壇ではチキCsiky Gergely(1842‐91)が民衆演劇の人気作家として活躍した。…

※「ミクサート」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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