日本大百科全書(ニッポニカ) 「ミケルセン」の意味・わかりやすい解説
ミケルセン
みけるせん
Peter Christian Michelsen
(1857―1925)
ノルウェーの政治家。1885年までベルゲンで法廷弁護士を務め、その後ノルウェー屈指の船主となった。1891~1894年ストルティング(議会)の左翼党議員。一時野に下ったが、1903年ハーゲルップ連立内閣に入閣。1904年スウェーデンとの領事問題がこじれると、同君連合からのノルウェーの分離が唯一の解決策であるとの立場からハーゲルップの妥協政策に反対し、1905年辞任。同内閣解散後、ブルジョア連立内閣を組閣して首相に就任。同年5月に議会で分離法案を可決し、スウェーデン国王オスカル2世Oscar Ⅱ(在位1872~1907)が法案の裁可を拒否すると、内閣は解散を表明。国王が新内閣形成に躊躇(ちゅうちょ)した機をとらえ、6月7日議会が事実上の独立宣言をなしたのち、首相として事態の平和的解決に努め、9月ノルウェーの独立を認めるカールスタード協定が成立した。2年後に退陣。
[大島美穂]