ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ミゲル」の意味・わかりやすい解説
ミゲル
Miguel, Maria Evaristo de Bragança
[没]1866.11.14. ブロンバハ
ポルトガル王位要求者。通称ドン・ミゲル。ジョアン6世 (温厚王)の第3子。ブラジルで成長し父に伴われて帰国 (1821) 。父王は留守中に布告された立憲制を承認したが,ミゲルはこれに反対してクーデターを起し,1821~24年反動的軍事独裁を行なって失敗,ウィーンに亡命。 26年3月父王が没し,ミゲルの長兄でブラジル皇帝ペドロ1世は,ミゲルと結婚させるという前提で娘マリア・ダ・グロリアをマリア2世としてポルトガル女王にしたが,28年帰国したミゲルは,反動勢力の支持を得てみずから王位についた。ペドロはポルトガルに戻り,ミゲルと戦ってオポルトを占領 (32) ,内乱の鎮圧に努めた。またスペイン,イギリス,フランス各国もマリア2世の正当性を認めたため,ミゲルはエボラで降伏,ポルトガル王位へのすべての要求を放棄し (34.5.) ,ローマに亡命。のちバーデン近郊に移りその地で没した。
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