エボラ(読み)えぼら(英語表記)Évora

日本大百科全書(ニッポニカ) 「エボラ」の意味・わかりやすい解説

エボラ
えぼら
Évora

ポルトガル中南部、アルト・アレンテージョ地方の中心都市。人口4万4627(2001)。リスボンから東方への交通路と、ポルトガル東部を南北につなぐ交通路の交点に位置し、ローマ時代から発達した。1165年イスラム教徒の支配を脱し、ジョアン3世下では宮廷都市として絶頂期を迎え、数々の文人、芸術家を擁したが、スペインとの併合(1663~65)以降は衰微した。マヌエル様式ルネサンス様式の華麗な建造物があり、ダイアナ神殿の遺跡、12~13世紀の大聖堂、考古学博物館などが有名。1986年エボラの歴史地区が世界遺産の文化遺産(世界文化遺産)として登録されている。

田辺 裕・柴田匡平]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「エボラ」の意味・わかりやすい解説

エボラ
Évora

ポルトガル中南部,エボラ県の県都。リスボン東南東約 110km,低い丘に囲まれた肥沃盆地に位置する。ローマ時代の重要な軍事基地。8~12世紀にはムーア人 (→ベルベル人 ) の,17世紀には一時期スペイン人の支配下にあった。城壁に囲まれた旧市街は,ロマネスクゴシック様式の加わった大聖堂 (1186) や,ムーア風とゴシック様式の混じった聖フランシスコ聖堂 (1507~25) などの古い建物が多く,1986年世界遺産の文化遺産に登録。人口3万 8938 (1991推計) 。

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