ミメット鉱(読み)みめっとこう(その他表記)mimetite

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ミメット鉱」の意味・わかりやすい解説

ミメット鉱
みめっとこう
mimetite

塩素を含む鉛の正ヒ酸塩鉱物。燐(りん)灰石系鉱物の一員。1991年に発見された斜ミメット鉱mimetite-Mとは同質異像関係にある。緑鉛鉱との間には広い範囲で連続固溶系が存在する。また鉛(Pb)の一部をカルシウム(Ca)で置換したヘディフェンhedyphane(Ca2Pb3[Cl|(AsO4)3])は独立種となった。各種鉛鉱床の酸化帯中にほかの鉛二次鉱物と共存するが、まったく鉛やヒ素の初生鉱物を含まないような鉱床にもみられることから、これが初生鉱物ではないかという疑問も投げかけられている。自形は六角柱状。しばしば中央部がふくらんだ、いわゆる樽(たる)形の形態を示すこともある。英名はギリシア語のミメシス(イミテーション模倣の意)に由来し、その外観が緑鉛鉱に酷似していることによる。

加藤 昭]


ミメット鉱(データノート)
みめっとこうでーたのーと

ミメット鉱
 英名    mimetite
 化学式   Pb5[Cl|(AsO4)3
 少量成分  Ca,V,H2O
 結晶系   六方
 硬度    3.5~4
 比重    7.26
 色     淡黄,黄褐,橙黄,白
 光沢    樹脂~亜金剛
 条痕    白
 劈開    無
       (「劈開」の項目を参照

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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