緑鉛鉱(読み)リョクエンコウ(英語表記)pyromorphite

デジタル大辞泉 「緑鉛鉱」の意味・読み・例文・類語

りょくえん‐こう〔‐クワウ〕【緑鉛鉱】

塩化物燐酸塩主成分とする鉱物柱状結晶をなし、六方晶系。緑・黄褐色樹脂光沢がある。鉛鉱床の酸化帯に二次的に生じる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「緑鉛鉱」の意味・わかりやすい解説

緑鉛鉱
りょくえんこう
pyromorphite

鉛のリン酸塩鉱物のうち、もっとも普通のものの一つ。鉛鉱床の酸化帯中に、初生の鉛鉱物(おもに方鉛鉱)の分解によって生成するものとされるが、ほとんど鉛の初生鉱物を含まないような鉱脈や鉱物集合中に産することもあるので、この鉱物自身が初生鉱物である可能性がある。自形は六角柱状、底面または錐面(すいめん)あるいは両方が発達することもある。結晶のなかには、鮮やかな緑色を呈するもののほかに黄色、淡紫色のものもある。日本では、岐阜県神岡鉱山閉山)、宮城県大崎(おおさき)市岩出山(いわでやま)の池月(いけづき)鉱山(閉山)など産地は多い。燐(りん)灰石系鉱物の一員英名はギリシア語の「火」と「形」に由来する。その集合状態が一見溶融物からの生成と解釈されたことによる。

加藤 昭 2018年12月13日]

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