メテオラ(読み)めておら(英語表記)Meteora

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「メテオラ」の意味・わかりやすい解説

メテオラ
Metéora

ギリシア,テッサリア地方のトリカラ地区にある修道院群。 20~30mから数百mに及ぶ塔状奇岩が約 60立ち並び,それらの頂上に 14世紀初頭以降 24もの修道院が建てられた。現在も大メテオラ修道院,バルラアム修道院,聖ステファノス修道院,聖トリアダ修道院などでは修行が続けられている。いずれも岩山の形状に合わせて建てられており,かつては階段も橋もなく,荷物は巻き上げ機や吊りかごで運ばれた。これらの修道院にはクレタ様式のフレスコ画イコンをはじめ中世の典礼用具や木彫品などが保存されている。 1988年世界遺産の自然・文化の複合遺産として登録。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「メテオラ」の意味・わかりやすい解説

メテオラ
めておら
Meteora

中部ギリシアのテッサリア地方にある岩山。比高50メートル以上も切り立った灰色の巨岩群の上に建てられたギリシア正教の修道院の奇観で知られる。14世紀前半に俗世戦乱を避けた修道士たちが共同生活を始め、16世紀なかばの最盛期には13の修道院と約20の僧庵(そうあん)を数えたが、18世紀以降衰微し、今日では大メテオロンほか数個の修道院に数十人の修道士、修道尼が住んでいるにすぎない。なお、1988年に世界遺産の複合遺産(文化、自然の両方の価値がある遺産)として登録されている(世界複合遺産)。

[清永昭次]

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