モサド(英語表記)Mossad

翻訳|Mossad

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「モサド」の意味・わかりやすい解説

モサド
Mossad

イスラエルの諜報機関。正式名称は Mossad Merkazi Le-modiin U-letafkidim Meyuhadim (ヘブライ語で中央諜報安全機関の意) で,Mosadと綴られる場合もある。イスラエルの五つの主要情報機関のうち最重要機関に位置づけられ,諜報活動,情報収集,外国における秘密政治作戦を担当する。長官は首相直属。アラブ諸国をはじめとする各国で多数の秘密諜報員を活動させており,その工作員がイスラエルの敵対者や外国に逃れたナチスの元幹部に対する秘密作戦を実行したと考えられている。 1960年にはモサド工作員がアルゼンチンで元ナチス党員アドルフ・アイヒマンを誘拐し,イスラエルに連行。 1972年にはミュンヘン・オリンピック村襲撃事件に関与したアラブ人ゲリラ指導者を暗殺したといわれる。 1976年にはウガンダのエンテベ空港で,ハイジャックされたイスラエル発の航空機から人質を救出した (→エンテベ空港事件 ) 。また,ヨーロッパ,中東,北アフリカで相次いだパレスチナ人指導者の暗殺にもモサドが関与していた。 1951年にモサドを創設し,1963年まで長官を務めたイッサー・ハレルがモサドをプロ集団に育て上げたといわれる。

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