《Island of Mozambique》モザンビーク北東部、大陸から約3キロメートル沖のインド洋にある小島。アラブ人の貿易基地であったが、バスコ=ダ=ガマが上陸したのち、ポルトガルが要塞を築き植民地とした。18世紀以降、イスラム教徒とヒンズー教徒が大量に移住したため、キリスト教の聖堂、イスラム教のモスク、ヒンズー教の寺院が共存する。1991年、世界遺産(文化遺産)に登録された。
1991年に登録された世界遺産(文化遺産)。モザンビーク東岸の沖合3.5kmに浮かぶ全長3km、幅500mの珊瑚礁の小島と、サン・ローレント島が登録範囲に含まれる。15世紀末にバスコ・ダ・ガマ(1469年頃~1524年)が上陸した後、16世紀初めにポルトガルが要塞を築き植民地化された。その後モザンビーク島は、アフリカ侵略におけるポルトガルの重要な拠点となり、町にはポルトガル人、アラブ人、インド人などが行き交い、香辛料、金などの交易のほか、奴隷貿易の拠点ともなった。同時にこの島は、キリスト教の重要な伝道拠点でもあった。スエズ運河の開通によって、島は衰退していったが、ポルトガル植民地時代の面影を色濃く残す町には、サン・アントニオ教会などのキリスト教建築物、サン・パウロ宮殿、サン・セバスティアン要塞などが残る。また、モスクやヒンドゥー教寺院も見られ、アラブ様式やインド様式と調和した美しい景観を見せている。これらの文化的価値が評価され、世界遺産に登録された。◇英名はIsland of Mozambique