知恵蔵 「モダナイ」の解説
モダナイ
長期間にわたり稼働しているシステムは、年月と共に、社会環境や業務内容の変換に伴う仕様変更や機能追加などが繰り返され、旅館の増改築のように複雑化し、肥大化するケースが多い。また、これらのシステムを一から作り直す場合、多くの時間と資金を費やすこととなる。これに対してモダナイは、現在の資産を活用しつつ、作り変えるよりも短い期間かつ低コストで、新たな環境や技術に柔軟に対応できる仕組みを構築するのを目的とする。
モダナイの手法は一つではない。現行システムのプログラムソースをそのままで、現在主流のオープンシステム技術を用いた環境下に移行する「リホスト」方式や、現行システムを残したままで、現在主流のユーザーインターフェースを利用できるようにする「ラッピング」方式、現行システムの機能を定義した仕様書を基にして、システムを再構築する「リビルド」方式など、規模や範囲の異なる手法がいくつかあるが、いずれも、一から作り直すより手間や費用をかけずに済むだけでなく、現行システムを長く利用したいというユーザーのニーズに新しい技術を利用することで応える手法といえる。
(横田一輝 ICTディレクター/2015年)
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報