改訂新版 世界大百科事典 「モデュール」の意味・わかりやすい解説
モデュール
module
モジュールともいう。測定単位あるいは機能単位を示す用語として多くの技術分野で用いられている。古い用語としてギリシア,ローマの石造建築の比例を定めるために用いられた〈モドゥルス〉があり,ローマ時代にウィトルウィウスによって著された《建築十書》には,円柱基部の直径を1モドゥルス,すなわち寸法の基本単位として,柱の高さや柱間など神殿各部の寸法を導く方法が詳述されている。現代の建築モデュールもやはり寸法の単位であるが,比例のためというよりもむしろ量産構成材のための寸法規格という意味合いが強い。電気では回路系などを1組として装置システムの構成単位としたものをモデュールといい,歯車の場合はピッチ円の直径を歯数で除したものをモデュールといって歯車の大きさを決めるために用いる。またアポロ計画の月着陸船などのようにカプセル状にまとめられた1組の装置のことをモデュールと呼ぶことがある。
→木割 →建築モデュール
執筆者:安藤 正雄
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報