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もののあわれ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

もののあわれ

平安時代の文学,生活の美的理念。本来は,もの (対象) によって人の心に呼起されるしみじみとした感動を意味する。人生の不如意に基づく哀感を基調とし,感情主体によって人事,自然界の事象が共感されるとき,そこに対象と主体の調和が意識され,「もののあわれ」が成立する。本居宣長は『源氏物語』の本意が「もののあわれ」を知らしめることにあるとして,仏教的,儒教的立場からする倫理的評価を批判したが,さらに進んで,「もののあわれ」を日本文学一般の理念であると主張した。日本文学にあっては,しみじみとした調和的な情趣を優美なものとして指向するものが多く,宣長説は一面の妥当性をもつ。

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