日本大百科全書(ニッポニカ) 「モルデン沸石」の意味・わかりやすい解説
モルデン沸石
もるでんふっせき
mordenite
普通に産出する沸石の一つ。毛状ないし針状結晶あるいは陶器のような緻密(ちみつ)な塊をなす。安山岩、デイサイト、流紋岩などのケイ酸分に比較的富む火山岩の空隙(くうげき)を満たして、石英、束(そく)沸石、輝沸石、ダキアルディ沸石などを伴って産する。また、火山ガラスを多量に含む凝灰(ぎょうかい)質堆積(たいせき)岩が続成作用および熱水作用を受けた場合に、モルデン沸石が斜プチロル沸石、濁(だく)沸石、方沸石などと生成される。塩湖で沈殿している例があり、これは非常に低温でできていると考えられている。かつてプチロル沸石とよばれていたものは、モルデン沸石と同じものである。英名は原産地のカナダのノバ・スコシア州モルデンMordenにちなむ。
[松原 聰]
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