輝沸石(読み)きふっせき(その他表記)heulandite

日本大百科全書(ニッポニカ) 「輝沸石」の意味・わかりやすい解説

輝沸石
きふっせき
heulandite

沸石一種。六角板状の結晶、あるいは葉片状結晶の集合をする。沸石中、劈開(へきかい)面での真珠光沢がもっとも著しい。玄武岩安山岩流紋岩、花崗斑(かこうはん)岩などの空隙(くうげき)中に、束(そく)沸石、菱(りょう)沸石、剥(はく)沸石、十字沸石魚眼石ぶどう石方解石などと産する。また、花崗岩ペグマタイトの最末期生成物として産する。そのほか、沸石岩を構成したり、熱水性金鉱脈中や接触変成を受けた石灰岩中にもみられる。交換性陽イオンの種類によって、種が細分される。英名はイギリスの鉱物収集家ヒューランドJohn Henry Heuland(1778―1856)にちなんで命名され、和名真珠光沢が著しくきらきら輝くところからつけられた。

松原 聰]


輝沸石(データノート)
きふっせきでーたのーと

輝沸石
 英名    heulandite
 化学式   C9Al9Si27O72・~24H2O
 少量成分  ―
 結晶系   単斜
 硬度    3.5~4
 比重    2.2
 色     無,白,黄,赤褐
 光沢    ガラス~真珠
 条痕    白
 劈開    一方向に完全
       (「劈開」の項目を参照
 その他   C=Ca0.5,Sr0.5,Ba0.5,Mg0.5,Na,K

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最新 地学事典 「輝沸石」の解説

きふっせき
輝沸石

heulandite

沸石族鉱物の一種。輝沸石系列で一般式(Na, K, Ca0.5Ba0.5 Sr0.59(Al9Si27 O72)・22〜26H2O。現在知られているのは,灰輝沸石(heulandite-Ca),ソーダ輝沸石(heulandite-Na),カリ輝沸石(heulandite-K),ストロンチウム輝沸石(heulandite-Sr),バリウム輝沸石(heulandite-Ba)である。以下はCa, Na, Kが卓越する輝沸石の主な性質である。単斜晶系,空間群C2/m, 格子定数a1.750~1.774nm, b1.782~1.803, c0.7396~0.7529, β116.1~116.6°。透明ないし半透明板状結晶。無色赤色など,ガラス光沢だが劈開面は真珠光沢,条痕白。劈開{010}完全,断口不規則,硬度3.5~4,比重2.1~2.3。Z=b, 2V(主に+)は種々に変化,光分散rv, 屈折率α1.491~1.505, β1.493~1.503, γ1.500~1.512。加熱すると膨張し,溶けて白色水滴状または糸状になる。火山岩の空洞中や沸石相の堆積岩中に産する。名前は英国の鉱物収集家H.Heulandにちなむ。

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改訂新版 世界大百科事典 「輝沸石」の意味・わかりやすい解説

輝沸石 (きふっせき)
heulandite

沸石類鉱物の代表的な種。化学式(Ca,Na2)(Al2Si7O18)・6H2O。形態は単斜晶系の厚い板状結晶で,板に平行にへき開が発達する。無色,白色であるが,赤鉄鉱などとの共生により淡紅色を示す場合もある。ガラス光沢を呈するが,へき開面の方向では真珠光沢を示し,輝きをもつため輝沸石の名称がつけられた。玄武岩,安山岩などの空げきや割れ目に低温熱水作用などにより生成する。共生鉱物として方解石,魚眼石などを伴うことが多い。多くの産地が知られているが,小笠原諸島の父島,新潟県間瀬,伊豆半島北部などは著名である。酸性凝灰岩の構成鉱物として,輝沸石とほぼ同じ産状で産出することの多い斜プチロル沸石clinoptiloliteは高アルカリ,高シリカ種であってその産出量も多量であるため,沸石資源として利用されている。
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