斜プチロル沸石(読み)しゃぷちろるふっせき(英語表記)clinoptilolite

日本大百科全書(ニッポニカ) 「斜プチロル沸石」の意味・わかりやすい解説

斜プチロル沸石
しゃぷちろるふっせき
clinoptilolite

沸石一種で、ケイ酸分に富むものの一つ。肉眼的な板状結晶をすることはきわめてまれで、普通は微細な結晶の塊状集合をなす。火山ガラスを多く含む凝灰岩が変成してできた沸石岩の主要な構成鉱物としてもっとも普通に産する。方沸石、モルデン沸石、フェリエ沸石ferrierite、輝沸石、束(そく)沸石などの沸石と共存することがある。交換性陽イオンのもっとも多い元素名をつけて種名を表す。たとえばナトリウムが卓越する場合にはclinoptilolite-Na(ソーダ斜プチロル沸石)となる。軽くて羽のような性質をもっているので、英名は、羽を意味するギリシア語に由来し、それに単斜晶系を意味する接頭語clinoがつけられた。

松原 聰]


斜プチロル沸石(データノート)
しゃぷちろるふっせきでーたのーと

斜プチロル沸石
 英名    clinoptilolite
 化学式   (K,Na,Ca0.5)6Al6Si30O72・~20H2O
 少量成分  Sr,Ba,Mg
 結晶系   単斜
 硬度    3.5~4
 比重    2.1~2.2
 色     無~白
 光沢    ガラス
 条痕    白
 劈開    一方向に完全
       (「劈開」の項目参照

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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