日本大百科全書(ニッポニカ) 「モロコシソウ」の意味・わかりやすい解説
モロコシソウ
もろこしそう / 唐土草
[学] Lysimachia sikokiana Miq.
サクラソウ科(APG分類:サクラソウ科)の多年草。草の香りがクネンボ(ミカン類)に似ることから、ヤマクネンボ(山九年母)ともいう。茎はやや角張り、高さ30~50センチメートル、紫色を帯びる。葉は長さ5~8センチメートルで両端は細く、葉柄がある。初夏のころ、葉腋(ようえき)から長い柄を出し、小さな黄色花を下向きに1個ずつ開く。萼片(がくへん)は5裂、花弁は深く5裂し、開くとやや反り返る。雄しべは5本。果実は球形で白色。海に近い樹陰に生え、関東地方南部以西に分布する。名は、本種が中国原産と考えられたことによる。
[鳥居恒夫 2021年3月22日]