ヤルタ体制(読み)ヤルタたいせい

共同通信ニュース用語解説 「ヤルタ体制」の解説

ヤルタ体制

第2次大戦後の世界秩序。1945年2月、ルーズベルトチャーチルスターリンの米英ソ3首脳がクリミア半島ヤルタ会談し、それぞれの勢力圏を取り決めた。会談では①米英仏ソ中の5大国が国際平和と安全を取り仕切る国連創設②米英仏ソによるドイツ分割占領③南樺太や千島列島の対ソ返還・引き渡しと対日参戦―などに合意した。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヤルタ体制」の意味・わかりやすい解説

ヤルタ体制
ヤルタたいせい

ヤルタ会談によって規定された第2次世界大戦後の世界秩序。同会談ではドイツ・ポーランド処理,国際連合の基本的制度などのほか,ソ連の対日参戦とその条件 (南樺太と千島列島の引渡し) が決定された。当時連合国の勝利はほぼ決定的であったが,すでに連合国内の亀裂,すなわちのちの冷戦萌芽がみられ,そうしたなかで決定されたヤルタ体制には大国主導による勢力圏確定の発想が色濃くあり,それはやがて本格化する冷戦のなかで固定化された。 1989~91年の東欧革命,ソ連の崩壊による冷戦の終焉とともにヤルタ体制も解体したが,日本にとっては北方領土問題という難問が未解決のまま残された。

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