ユイリン地区(読み)ユイリン(英語表記)Yulin

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ユイリン地区」の意味・わかりやすい解説

ユイリン(玉林)〔地区〕
ユイリン
Yulin

中国華南地方,コワンシー(広西)チワン(壮)族自治区南東部の地区。ユイリン市,クイコン(貴港)市ほか 6県からなり,行政中心地はユイリン市にある。ユンカイターシャン(雲開大山)山脈,ターロンシャン(大容山)山脈などの山脈が北東から南西に延び,その間に谷と盆地が開ける。高温多湿の気候と肥沃な土壌に恵まれるが,透水性の高い石灰岩地域であるため,しばしば洪水干魃に襲われた。人民共和国成立後,灌漑施設の建設が進み,自治区の穀倉地帯となった。豊富な水を利用した発電所が各地にあり,セメント工業も行なわれる。クイピン(桂平)県,クイコン市では製糖が盛ん。山地の漢方薬材を原料に製薬が行なわれる。ロン(容)県のシャーティエン(沙田)ザボンをはじめ果物の産出が多く,缶詰業も発達している。交通は道路のほか水運も重要な役割を果たす。人口 864万1877(1990)。

ユイリン(楡林)〔地区〕
ユイリン
Yulin

中国西北地方,シェンシー (陝西) 省北端の地区。行政中心地のあるユイリン市ほか 11県から成る。万里の長城が北東から南西に連なり,北部のオルドス (鄂爾多斯) 高原と南部のホワントー (黄土) 高原を分ける。大部分はウーティン (無定) 河の流域である。北西はムウス (毛烏素) 砂漠に接し,飛砂の害が激しいが,長城沿いに植林,灌漑施設の建設など耕地の造成が進んでいる。南部では水土の流失防止に力が注がれ,ティンホイ (定恵) 渠など大規模な用水路が開かれた。農業はアワキビコーリャンなどの雑穀を主とし,コムギ,ジャガイモも栽培。ヒツジ,ヤギなどの放牧が盛んで,羊毛,皮革の産出が多い。地下資源としては石炭がある。ユイリン市に毛紡織工場があり,ホンシャン (横山) 県は化学肥料工場があるほか陶磁器を産する。交通は自動車道に頼る。長城の南に接するユイリン市とティンピエン (定辺) 県では畜産物と農産物との交易が行われる。人口 291万 2290 (1990) 。

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