米IT大手グーグルが運営する動画投稿・共有サイト。2005年にサービス開始、06年にグーグルが買収した。視聴は原則無料。世界で10億人以上に利用され、1日当たりの視聴回数は数十億回に上るとされる。自作の動画を頻繁に投稿し、動画の再生回数に応じて広告収入を得る「ユーチューバー」と呼ばれる職業も生まれた。投稿動画を巡って、差別や憎悪をあおる内容が問題となるケースもある。(ニューヨーク共同)
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アメリカのインターネット動画共有サービス会社。本社はカリフォルニア州サンブルノ。2005年にオンライン決済サービスのペイパルPayPal社の元社員であった、チャド・ハーリーChad Hurley(1977― )、スティーブ・チェンSteve Chen(1978― )、ジョード・カリムJawed Karim(1979― )の3人が創業した。放送用の特殊な設備やソフトウェアがなくても、インターネットに接続していれば、撮影した動画をだれもがアップロード(会員登録が必要)し、共有して楽しめるというサービスを開始した。利用者はまたたくまに世界中に広がり、2006年6月の同社の発表によれば、1日平均のアップロード数は、6万5000件に達したという。同年10月、グーグル社Google, Inc.との株式交換によって16億5000万ドルで買収され、現在はグループ会社の一つになっている。なお、サービスの名称にもなっているYouTubeのTubeとは真空管を意味し、映像を表示するテレビのブラウン管に由来する。
2015年時点で、70以上の国と地域でローカライズされたサービスが展開されており、YouTubeへの投稿や視聴のために必要なアプリケーションは、スマートフォンやタブレット型端末、セットトップボックス、スマートテレビ、撮影機器に内蔵されたものなど、多くの環境に対応している。同社によると2015年時点で1分間におよそ400時間分の動画がアップロードされており、視聴回数は、1日当り数十億回に上る。2015年には、広告の非表示やオフラインの状態で再生ができる、サブスクリプション型サービス、ユーチューブ・レッドYouTube Red(現、ユーチューブ・プレミアムYouTube Premium)の提供が一部の国と地域で開始された。
[編集部 2016年8月19日]
YouTubeの閲覧はだれでも無料でできるが、アップロードやコメントをする場合は、YouTubeアカウントか、Googleアカウントでシステムにログインし、スマートフォンやパソコンなどを利用して行う。見る側は、よく見るアカウントなどをチャンネルとして登録しておけば、新たに登録された動画を簡単に見ることができる。また、気に入った内容の動画を複数登録し、自分だけの再生リストをつくることも可能である。
このようなシステムによって、チャンネル登録者数が数百万人を超える動画クリエイターが、続々と登場している。ネット動画を頻繁に投稿していたマニアが、ある日突然、世界的に活躍する可能性が生まれたのである。YouTubeでは、2007年から閲覧者数の多い動画投稿者に対し、広告掲載を条件に、投稿者側に利益の得られるシステムを提供している。このシステムを導入したことにより、動画投稿者として広告収入を得ることで生計を立てる人が出現し、ユーチューバーYouTuberとよばれるようになった。また、ユーチューバーのなかで、国際的に活躍しているクリエイターをユーチューブ・セレブリティーズという。今日では、YouTubeが音楽の制作・販売を行うレーベルの役割を果たし、人気クリエイターを誕生させると同時に、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)などを通じて、世界中のファンとかかわり、アルバムやツアーチケットなどを販売するプラットフォームとして確立されつつある。また、YouTubeにおいて、クリエイターとしてのキャリアを構築するため、動画制作やアルゴリズムなどを学ぶことのできる、オンラインコンテンツなども用意されている。
[編集部 2016年8月19日]
出典 (株)朝日新聞出版発行「パソコンで困ったときに開く本」パソコンで困ったときに開く本について 情報
年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...
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