改訂新版 世界大百科事典 「ラウリルアルコール」の意味・わかりやすい解説
ラウリルアルコール
lauryl alcohol
化学式CH3(CH2)11OH。1-ドデカノール,ドデシルアルコールともいう。無色,特異臭のある直鎖の飽和一価アルコール。融点23.5℃,沸点153.5℃(25mmHg),比重d=0.8330,屈折率n=1.4428(過冷却下)。水に難溶,エチルアルコール,エーテルに可溶。マッコウ鯨油中に脂肪酸とのエステルとして少量存在する。工業的には,ヤシ油,パーム核油などから得られるラウリン酸をナトリウム還元,または触媒を用いる高圧還元をして(100~200気圧,250~400℃)製造するか,またはトリアルキルアルミニウムにエチレンを付加する方法(チーグラーアルコール法)で製造する。直接油性成分として用いられることはまれで,界面活性剤の原料として,乳化剤に用いられる。ラウリルアルコールの硫酸エステルのナトリウム塩,アンモニウム塩,トリエタノールアミン塩は洗剤,シャンプーに用いられる。ラウリルアルコールはまた陽イオン界面活性剤の原料にもされる。
執筆者:内田 安三
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報