日本大百科全書(ニッポニカ) 「ラボック」の意味・わかりやすい解説
ラボック
らぼっく
Sir John Lubbock
(1834―1913)
イギリスの銀行家、著述家。銀行家の父の後を継いで銀行を経営する一方で、多くの著述を残した。考古学関係の著書としては『先史時代』(1865)があり、打製石器期を旧石器時代、磨製石器期を新石器時代とよぶことを提案した。これより先、1860年にテムズ、ソンムなどのイギリス、フランスの渓谷を調査し、すでに絶滅した化石哺乳(ほにゅう)動物と人類がともに活動していた旧石器時代の存在を確認している。考古学のみならず、生物、地質、人種、土俗学などにも興味をもち、また各種の社会的活動を行い、下院議員、ロンドン大学名誉副総長、ロンドン商業会議所会頭なども務めた。
[飯島武次]