ランドサット(その他表記)LANDSAT

デジタル大辞泉 「ランドサット」の意味・読み・例文・類語

ランドサット(LANDSAT)

《land satelliteから》米国地球資源探査衛星。第1号は1972年に打ち上げられ、赤外線カメラを常時地球に向け、主に陸域の撮影情報を地球に送信。旧称ERTSアーツ(Earth Resources Technology Satellite)。

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精選版 日本国語大辞典 「ランドサット」の意味・読み・例文・類語

ランドサット

  1. ( LANDSAT [英語] Land satellite の略 ) アメリカ地球観測衛星の名。第一号は一九七二年に打ち上げられ、資源探査、植生調査、気象観測、精密地球図の作成などのための資料収集。第四号から高分解能センサーを搭載し、観測データが多様化している。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ランドサット」の意味・わかりやすい解説

ランドサット
LANDSAT

land satelliteの略。地下資源の探査への利用を目的に NASAが開発した世界初の本格的陸域リモートセンシング衛星シリーズ。 1972年7月 23日に1号が打上げられ,現在は5号が EOSA社により運用されている。2号打上げまでは ERTS (アーツ) と呼ばれていた。 LANDSATは,いずれも太陽同期準回帰の極軌道衛星で,高度は1~3号が 915km,4・5号が 705kmである。搭載されているセンサは,1~3号はリターンビームビジコンカメラ RBVと多重スペクトル走査放射計 MSS,4・5号はセマティックマッパ TMと MSSである。その性能は,RBVが可視から近赤外の3バンドの観測波長域で解像度 40m,MSSも同様の4バンドで解像度約 80m,TMは可視から近赤外6バンド,熱赤外1バンドで,解像度はそれぞれ 30mと 120mである。これらのセンサにより,土壌の性質,植物の種類や分布,氷雪の分布,水や地表温度の分布等を観測する。また,LANDSAT6号は 93年 10月に打上げられたが,軌道投入に失敗,7号を 98年末に打上げ予定。

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百科事典マイペディア 「ランドサット」の意味・わかりやすい解説

ランドサット

米国の資源探査衛星。地球探査衛星とも。赤外線などのさまざまな波長の光で地表を探査する。→リモートセンシング
→関連項目赤外カラー写真

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世界大百科事典(旧版)内のランドサットの言及

【宇宙開発】より


[資源探査]
 資源衛星は人工衛星から光の波長ごとにいろいろな写真画像をとり,それを物質の出す光の波長の分布(スペクトル)の特性と比較することによって地表の状態を知ることができる原理を利用している。資源衛星は他の実用衛星に比べるとややおくれて,アメリカでは1972年にアーツを,続いて75年2号をランドサットという名称で打ち上げ,得られた画像のデータは各国に設けられた地上局で受信して,その地元での利用に供されている。農業の作柄,森林の状態などの監視,地質学・水理学・海洋学のデータ収集,地図の作成など幅広い重要な分野にわたって利用されているが,他国の上空から情報を得ることの合法性といった点で問題を残しており,放送衛星の放送対象とともに宇宙法の争点の一つとなっている。…

【探査】より

…いずれにせよ探査ではこれらの現象を調べるセンサーが必要で,目的によりこれを搭載する人工衛星,航空機,車,船舶などが使われる。地球を調べるためアメリカで打ち上げられた探査衛星ランドサットのシリーズは可視,近赤外の帯域の電磁波を電子的に観測したが,有人衛星では通常のカメラも用いられた。同じくアメリカの火星探査バイキング計画では無人で作動する土壌分析装置からの分析結果が地球に送られた。…

【地質調査】より

…航空機に磁力計を積みこんで磁力探査を行うこともある。さらに広い範囲を一望できて地質構造や地質系統の予察に貢献できるという点では,ランドサット(LANDSAT)をあげねばなるまい。ランドサットはリモートセンシングの技術を応用した地球観測衛星で,地上約900kmの宇宙から,連続的に185km×185kmの範囲を一望し,その画像データを地上局に送信する。…

【リモートセンシング】より

… 一方,陸域観測用衛星では分解能が生命で,緻密(ちみつ)な地表観測が要求される。NASAによる陸域衛星であるランドサット(LANDSAT)計画は1972年の1号打上げにより開始された。用いられたセンサーMSSは4バンド(0.4~1.1μmを4分割),地表分解能80mで,その映像は約900kmの超高度からとは思えないほど鮮明であった。…

※「ランドサット」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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