ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ラーマカムヘーン」の意味・わかりやすい解説
ラーマカムヘーン
Ramkhamhaeng
[没]1298
タイ,スコータイ朝第3代の王(在位 1279~98)。ラーマカムヘーン王碑は王の業績をタイ文字で記した根本史料。マレー半島リゴール(→ナコンシータンマラート)にまで勢力を伸ばして,チャオプラヤー川下流のモン族文化を受容。ビルマ(→ミャンマー)のペグー(バゴー)まで西征し,さらにクメール(→カンボジア)領内へ東征してクメール文化の政治制度を取り入れ,クメール文字を改変してタイ文字を創始した。北はタイ,ラオスの北部まで進撃し,また中国の元と朝貢貿易を開き,中国人を招いてサワンカロークで有名な宋胡録陶器を焼成させた。仏堂の並ぶ王都スコータイの南辺に山神プラカプン祠堂があり,王は国土安泰をこの精霊に祈った。約 20年間の在位中,騒乱状態にあったスコータイ王国を安定,興隆させ,タイ史上傑出した大王として知られる。
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