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宋胡録 すんころく

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

宋胡録
すんころく

14世紀頃,中国の陶工の指導のもとにタイの旧都スワンカロークで焼かれた陶器。また日本におけるタイの陶器全般の呼称。この名称はスワンカロークがなまったもので,日本では宋胡録,寸胡録などの字をあてる。胎土は鉄分を含み,砂粒が混っている。黒褐釉を主とするが,白釉でおおったものや青磁釉をかけたもの,あるいは素焼のものなどがある。なかでも刻線の唐草文で飾られたものが多い。器形は合子,皿鉢,壺などのほか,各種の動物,人形像などがある。日本へは桃山,江戸時代初期頃に将来され,茶人が珍重した。

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百科事典マイペディアの解説

宋胡録【すんころく】

タイの古陶に対しての日本での呼称。名称は主産地メナム川の中流地方の,スワンカロクに由来する。14―15世紀ころに多く焼成された。素地に白化粧をし,その上に簡単な鉄絵模様を描いた合子(ごうす)類が,日本へは桃山〜江戸初期に将来され,茶人に好まれた。当初はそれらを指す語であったが,今日は青磁,黒釉,飴釉,柿釉を施したものなども含めてこの語が用いられている。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

宋胡録
すんころく

タイの代表的な古陶磁窯で、窯は中部タイのスワンカローク市の郊外パーヤン村、ツターカ村、バン・コーノイ村に145か所を数える。この一大製陶地の中心がスワンカローク窯で、スコータイ王朝の14世紀に開かれ、中国陶磁の陶技や様式を受けて、鉄絵陶、青磁、褐釉(ゆう)陶、白釉陶、淡青釉陶などを焼いた。日本へは桃山、江戸初期に茶人好みの器物として将来され、江戸時代にスワンカロークをなまって宋胡録(寸胡録とも書く)の名称で親しまれた。初期の鉄絵には中国の元代(1206~1367)の染付磁器の様式が色濃く投影し、青磁には同じく元代の龍泉(りゅうせん)窯青磁の影響が強い。製品は皿、鉢、蓋(ふた)物などの日用品が主であるが、15~16世紀にはタイらしい国風化された様式を示すとともに生産量も増大した。廃窯の時期は17世紀以後であるが、詳細は不明である。[矢部良明]

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世界大百科事典内の宋胡録の言及

【タイ陶磁器】より

…後者のシーサッチャナーライではいわゆるスワンカローク窯が中心である。日本では江戸時代から宋胡録(すんころく),寸古録の字があてられ,よく知られている。スコータイ窯とほぼ同じものを生産しているが,スコータイ窯は官窯的な性質をもち,スワンカローク窯は民窯的性質であったといわれる。…

※「宋胡録」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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