タイの代表的な古陶磁窯で、窯は中部タイのスワンカローク市の郊外パーヤン村、ツターカ村、バン・コーノイ村に145か所を数える。この一大製陶地の中心がスワンカローク窯で、スコータイ王朝の14世紀に開かれ、中国陶磁の陶技や様式を受けて、鉄絵陶、青磁、褐釉(ゆう)陶、白釉陶、淡青釉陶などを焼いた。日本へは桃山、江戸初期に茶人好みの器物として将来され、江戸時代にスワンカロークをなまって宋胡録(寸胡録とも書く)の名称で親しまれた。初期の鉄絵には中国の元代(1206~1367)の染付磁器の様式が色濃く投影し、青磁には同じく元代の龍泉(りゅうせん)窯青磁の影響が強い。製品は皿、鉢、蓋(ふた)物などの日用品が主であるが、15~16世紀にはタイらしい国風化された様式を示すとともに生産量も増大した。廃窯の時期は17世紀以後であるが、詳細は不明である。
[矢部良明]
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…後者のシーサッチャナーライではいわゆるスワンカローク窯が中心である。日本では江戸時代から宋胡録(すんころく),寸古録の字があてられ,よく知られている。スコータイ窯とほぼ同じものを生産しているが,スコータイ窯は官窯的な性質をもち,スワンカローク窯は民窯的性質であったといわれる。…
※「宋胡録」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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