ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「チャオプラヤー川」の意味・わかりやすい解説
チャオプラヤー川
チャオプラヤーがわ
Mae Nam Chao Phraya
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タイ中部を流れる同国最大の川。通称メナム川(「メナム」はタイ語で川の意)。北部の山岳地帯に源を発するワン川を支流にもつピン川と、ヨム川を支流にもつナン川が、ナコン・サワンで合流してチャオプラヤー川となり、南下してチャイナート以南でチン川などを分流して本流とともにチャオプラヤー・デルタを形成しつつタイランド湾に注ぐ。全長1200キロメートル。全流域が造陸帯に属し、山地は標高1300メートルほどで一般に緩傾斜である。ピン川流域にはチエンマイ盆地がある。チャイナートまでの中流は東西を山地に囲まれる。下流のチャオプラヤー・デルタは、無数の水路が通じ、タイ最大の穀倉地帯となっている。本流に沿って古都アユタヤや首都バンコクがある。河口より85キロメートルまでは平均水深が10メートル、もっとも深い所は21メートルもあり、勾配(こうばい)は1000分の0.01でほとんど水平に近い。このため古くから河川交通が盛んである。また灌漑(かんがい)を目的とするチャイナート・ダムの建設などチャオプラヤー総合開発計画が進められている。
[大矢雅彦]
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