リトコール酸(読み)りとこーるさん(英語表記)lithocholic acid

日本大百科全書(ニッポニカ) 「リトコール酸」の意味・わかりやすい解説

リトコール酸
りとこーるさん
lithocholic acid

胆汁酸一種で、化学式はC24H40O3である。脂肪を大量に摂取すると消化のために多量の胆汁酸が分泌される。大部分の胆汁酸は肝臓に再吸収されるが、一部は大腸に達し、腸内細菌に存在する胆汁酸-7α-デヒドロキシラーゼによってリトコール酸などの二次胆汁酸に変換される。遊離のリトコール酸は毒性が強いので、タウリングリシンなどのアミノ酸結合(抱合)し、タウロコール酸グリココール酸(ともに胆汁酸塩類)として胆汁液中に現れる。界面活性剤のような働きにより、水に不溶性の食物や栄養の消化吸収を助ける。

[菊池韶彦・小泉惠子]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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