リューゲン島(読み)リューゲントウ(その他表記)Rügen

デジタル大辞泉 「リューゲン島」の意味・読み・例文・類語

リューゲン‐とう〔‐タウ〕【リューゲン島】

Rügen》ドイツ北東部、バルト海にある同国最大の島。メクレンブルク‐フォアポンメルン州に属する。シュトラルズント海峡をはさんだ本土シュトラルズント築堤で結ばれる。海岸保養地として知られ、ザスニッツ、ゼーリン、ビンツなどの町にホテルレストランが集まっている。

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改訂新版 世界大百科事典 「リューゲン島」の意味・わかりやすい解説

リューゲン[島]
Rügen

バルト海上,ドイツの北東海岸に接する島。メクレンブルク・フォアポンメルン州に属する。面積926km2。人口8万4581(1977)。北方に位置するため夏季といえども冷涼であるが,地味が肥え,麦類の豊かな穀産地として古くから知られ,また牧畜業も盛んである。

 民族大移動期にスラブ人の居住する所となったが,ほどなく,ゲルマン人の進出する所となり,13世紀までにキリスト教化が進み,それとともにドイツ人の勢力が圧倒的となった。その間,リューゲン島の領主デンマーク系ではあるもののドイツ帝国内の一諸侯領となった。しかし13世紀に対岸に建設されたシュトラールズントと経済的に密接な関係を保持し,それを通じてポンメルン(現,ポモジェ)地方と深いつながりを持つにいたった。こうして15世紀後半にはポンメルンの一部に編入された。対岸のシュトラールズントは中世を通じてハンザ都市として重きをなし,穀物貿易を通じてリューゲン島を抑えていたが,同島のもつ独自な力は三十年戦争中シュトラールズントがワレンシュタインの率いるドイツ軍を撃退したときに発揮された。三十年戦争後同島はスウェーデン領となったが,プロイセン勃興とともにその支配を受けることとなった。ナポレオン時代に一時フランス支配下に置かれたが,ナポレオン没落後最終的にプロイセン領となった。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「リューゲン島」の意味・わかりやすい解説

リューゲン島
リューゲンとう
Rügen

ドイツ北東部,メクレンブルクフォアポンメルン州に属する島。シュトラルズント対岸のバルト海にあり,本土との間にシュトレラズント海峡およびボッデン海峡がある。東海岸では高さ 120mをこす白亜の崖がそびえるが,西海岸は低平。初めゲルマン系のルギエリ人,次いでスラブ系のウェンド人の居地となったが,1168年にはデンマークの支配下に入り,以後 1325年ポンメルン公国,1648年スウェーデン,1815年プロシアと領有が代った。主産業はニシン漁業。テンサイライムギジャガイモなどの栽培,ウシヒツジの飼育も行われ,観光業も重要。先史時代の遺跡が多い。 1936年にシュトレラズント海峡に長さ 2.5kmのリューゲン・ダムが建設され,ダム上に島と本土を結ぶ鉄道,道路が開通した。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「リューゲン島」の意味・わかりやすい解説

リューゲン島
りゅーげんとう
Rügen

ドイツ北東部、バルト海にある島。面積926平方キロメートルで、ドイツ最大の島である。本土との間は幅2~3キロメートルのシュトラルズント海峡で隔てられているが、1936年に島と本土との間に土堤が築かれ、その上に鉄道と道路が通じて、実質的には陸続きとなっている。島内はほぼ平坦(へいたん)で、大部分は農地として利用される。海岸線は屈曲に富み、北東部の海岸には白亜の断崖(だんがい)がみられる。波の静かな砂浜の海水浴場は、夏には保養客でにぎわう。中心都市はベルゲン。東岸の鉄道終点のザスニツからはスウェーデンへのフェリーの連絡がある。

[浮田典良]

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世界大百科事典(旧版)内のリューゲン島の言及

【シュトラールズント】より

…中世の東部植民を背景に成立した有力なハンザ都市で,13世紀初めにリューベックの都市法を採用。1.5km離れた対岸の穀産地リューゲン島を掌握して強力となり,1370年ハンザ同盟がデンマークに勝った際の平和条約(シュトラールズント条約)締結地となる。三十年戦争中ワレンシュタイン軍の包囲を撃退したことは有名。…

※「リューゲン島」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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