リューネブルガー・ハイデ(読み)りゅーねぶるがーはいで(英語表記)Lüneburger Heide

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

リューネブルガー・ハイデ
りゅーねぶるがーはいで
Lüneburger Heide

ドイツ北部、エルベ川とウェーザー川支流アラー川との間にある広大なハイデ。ハイデとは更新世(洪積世)の氷河堆積(たいせき)物によって形成された砂質土壌の荒れ野のことで、植生に乏しく、ハイデ草などの草や低木がみられるだけで、かつては粗放的な牧羊業や養蜂(ようほう)業が行われるにすぎなかった。しかし19世紀以降、開拓や植林が進み、耕地化した所では砂地によく育つジャガイモライムギを中心とする農業が営まれている。いまでは、かつてのハイデ景観は、ウィルゼダー・ベルクという標高169メートルの丘陵を中心とする自然保護区域に残っているだけであり、ここには多くのハイキング客が訪れる。

[浮田典良]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

リューネブルガーハイデ
Lüneburger Heide

ドイツ北西部,ニーダーザクセン州ハノーバー北方,アラー川とエルベ川の間にある氷期の堆積物でおおわれた荒地帯。石英の多い砂質土壌のため大部分ヒース灌木におおわれ,おもにヒツジが放牧されていたが,近年は耕地化や植林が進んだ。北部にはカシカバブナ,南部にはモミカラマツなどの森林が広がる。特産物はジャガイモ,クランベリー,蜂蜜など。「巨人の墓」と俗称される巨石文化時代の遺跡の多いことで知られる。

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