タデ科(APG分類:タデ科)の多年草。全体がダイオウに似ており、食用となるので、和名をショクヨウダイオウという。シベリア南部が原産地とされる。日本へは明治初期、西洋野菜の一つとして導入された。春早く葉を出す。葉柄は太く直径2~4センチメートル、長さ30~40センチメートルで紅色を帯びる。葉は心臓形で、長さは約30センチメートル。近縁種のダイオウに比べると葉先のとがりが鈍く、丸形にみえるので、マルバダイオウの別名もある。数枚の葉を出したのち、初夏に茎が伸び立って草丈1~2メートルになる。茎は直径2~3センチメートルで数枚の葉をつけるが、地上茎は根出葉より小さい。茎の先端数節から花穂を出し、小さい緑白色の花を多くつける。果実は径約1センチメートルの扁平(へんぺい)な楕円(だえん)形。茎は夏に果実が熟すころ倒れて枯れ、秋まで根出葉が茂る。果実は地上に落ちてすぐに種子が発芽し、年内に直径10~20センチメートルの葉身をもつまでに成長する。
葉柄に酸味と芳香があり、春の若いものをとって、砂糖と煮てジャム、ゼリー、ソースとし、甘酸っぱいパイにもつくる。多量のクエン酸、シュウ酸、リンゴ酸などを含むので、あまり多く食べるのはよくない。
[星川清親 2020年12月11日]
ルバーブの学名は統一されておらず、R. rhabarbarum L.とすることも多い。
[編集部 2020年12月11日]
インドネシアの弦鳴楽器の一種。木またはヤシの殻でできた浅い椀(わん)形の胴に皮(水牛の腸や膀胱(ぼうこう))を張り、胴の上下に細長い棹(さお)と足を取り付ける。弦は普通2本で、フレットはなく、駒(こま)は取り外し可能。あぐらに座って構え、弓奏する。ジャワ島やバリ島では、ガムランとよばれる大合奏のなかで旋律を装飾する役目をつかさどる。また、スマトラ、カリマンタン、スラウェシ北部、マルク諸島では1弦のルバーブが、ナングロ・アチェー・ダルサラム(旧アチェー)では3弦のものがみられる。ルバーブはアラビアの弦楽器ラバーブの変形したもので、イスラム教徒が西方よりもたらしたものと考えられる。なお同種のものにタイのソー・サーム・サーイがある。
[川口明子]
葉柄を食用にするタデ科の多年草。ショクヨウダイオウ(食用大黄),マルバダイオウ(丸葉大黄)ともいう。原産地はシベリア南部とされているが,ギリシア・ローマ時代にはすでに栽培されていた。イギリスには16世紀に導入されたが,市場に出るようになったのは19世紀になってからである。日本に入ったのは明治初期とされるが,普及するに至っていない。温帯の中北部に適し,暖帯にはむかない。土壌は選ばない。根生する葉は無毛で大きく,心臓形をしている。多肉で食用とされる葉柄は長く,50~60cmになる。春に1~2mの高さに茎を伸ばし,分枝した頂部に白色の花を多数つける。むろに入れたり盛土をしたりして軟化栽培を行うと,酸味の弱い良質の葉柄が得られる。葉柄は酸味と特有の香気があり,皮をむいて食塩をかけて生で食べる。また煮物にしたり,肉といっしょにパイを作って利用する。近縁のものに薬用にするカラダイオウなどがある。またルバーブとして食用にされるものにルバーブと近縁のダイオウ類との種間雑種があるという考えもある。
執筆者:高橋 文次郎
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「ラバーブ」のページをご覧ください。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…アジア・アフリカのイスラム文化圏で用いられるリュート型弦楽器の名。この名およびルバーブ,レワーブ,ロバーブなどその変形で呼ばれる弦楽器は構造上1種類に限定されず,地方によってさまざまであるが,共通していえることは,共鳴胴の腹面に動物の革が張られていること,そして大部分が弓奏楽器であることである。第1のタイプは,日本の胡弓のように,長い棹が四辺形または円形の共鳴胴を横から貫通しているもので,アラブのベドウィンが用いる1弦のラバーブ・アッシャーイルrabāb al‐sha‘ir(詩人の胡弓)(イラスト)はその代表的なものである。…
…そのうち数種の根茎が漢方の大黄として利用されるが,種により薬効成分の含量は異なる。また葉柄を食用にするルバーブがある。それらのうちダイオウR.officinale Baill.は太い根茎をもち,根出葉は卵円形で3~7裂,幅30~90cm。…
※「ルバーブ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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