日本大百科全書(ニッポニカ) 「ルビン」の意味・わかりやすい解説
ルビン
るびん
Edgar John Rubin
(1886―1951)
デンマークの心理学者。コペンハーゲンの生まれ。1904~1911年までコペンハーゲン大学のヘフディングHarald Höffding(1843―1931)およびレーマンAlfred Georg Ludwig Lehmann(1858―1921)のもとで哲学と心理学を学ぶ。ついでドイツのゲッティンゲン大学の心理学研究室でミュラーに学び、図と地に関する古典的実験を行い、1915年に学位を得た。当時の同窓イェンシュErick Rudolf Jaensch(1883―1940)、カッツはいずれもフッサールの現象学の影響を受けた仲間であった。1916年帰国して母校の私講師となり、その後レーマンの後を継いで実験心理学の教授となり、実験室を主宰した。彼の図と地に関する研究は1915年にデンマーク語で発表されたが、そのときにはあまり注目されず、1921年にドイツ語版が出てから、ゲシュタルト心理学に取り入れられ、その後の心理学に大きな影響を与えることになった。著書に『Visuelle wahrgenommene Figuren』(1921)などがある。
[宇津木保]