反転図形(読み)ハンテンズケイ(英語表記)reversible figure

デジタル大辞泉 「反転図形」の意味・読み・例文・類語

はんてん‐ずけい〔‐ヅケイ〕【反転図形】

一つ図形でありながら、見ていると図柄、または遠近などが反転して異なった見え方になる図形。多義図形。あいまい図形。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「反転図形」の意味・読み・例文・類語

はんてん‐ずけい‥ヅケイ【反転図形】

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] reversible figure の訳語 ) 同一の図形でも見ていると図柄と地(じ)が反転して別の見え方をする図形。ルビンの杯と顔、マッハの本など多くの例がある。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「反転図形」の意味・わかりやすい解説

反転図形 (はんてんずけい)
reversible figure

同一の図形でありながら,二通りの見え方をする図形。通常,図形を見続けていると,突然他の見え方が観察者の意志にかかわりなく生じ,以後この二通りの見え方が交互に生じる。図と地の反転する図形(〈ルビンの盃〉)や意味内容の反転する図形(婦人老婆に見える〈ボーリングの妻とその母〉),遠近の反転する錯視図形(本の背が前後に変化する〈マッハの本〉)などがある(図)。
錯視
執筆者:


出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「反転図形」の意味・わかりやすい解説

反転図形
はんてんずけい
reversible figure

同一図形でありながら2種の見え方が交代して現れる図形をさす。多義図形一種。図形の一定領域が図に見えたり地に見えたりするような図形を特に図地反転図形と呼び,E.J.ルビンの盃と横顔の図形はその一例である。遠近感が反転するような平面図形を特に遠近性反転図形と呼び,ネッカーの立方体はその一例である。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「反転図形」の意味・わかりやすい解説

反転図形
はんてんずけい

図と地

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の反転図形の言及

【ルビン】より

…1911年ゲッティンゲン大学に学び,ミュラーG.E.Müllerの指導をうけるが,同地では後に実験現象学Experimentelle Phänomenologieのもう一方の雄となったカッツD.Katzと一緒であった。〈ルビンの盃〉(一つの図形が盃にみえたり,人の横顔にみえたりする反転図形)で知られるように,視覚対象を現象学的に記述し,“図”と“地”の相違およびその基本的特徴を明らかにし,それが視覚のみならず他の感覚にも認めうることを主張した。この考えは,その研究方法とともにゲシュタルト心理学に大きな影響を与えた。…

※「反転図形」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

ベートーベンの「第九」

「歓喜の歌」の合唱で知られ、聴力をほぼ失ったベートーベンが晩年に完成させた最後の交響曲。第4楽章にある合唱は人生の苦悩と喜び、全人類の兄弟愛をたたえたシラーの詩が基で欧州連合(EU)の歌にも指定され...

ベートーベンの「第九」の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android