レゲット(読み)れげっと(その他表記)Anthony James Leggett

日本大百科全書(ニッポニカ) 「レゲット」の意味・わかりやすい解説

レゲット
れげっと
Anthony James Leggett
(1938―2026)

アメリカとイギリスの国籍をもつ物理学者。ロンドンに生まれる。オックスフォード大学で古典語学を専攻したが、のちに物理学に転じて同大学院を1964年に修了した。同年アメリカに渡り、イリノイ大学の研究員となり、1967年イギリスのサセックス大学の講師に就任、1978年同大教授、1983年からはイリノイ大学の教授を務める。その間、1965年(昭和40)に京都大学、1973年に東京大学で研究生活を送り、日本女性と結婚、親日家として知られる。

 おもな研究は、液体ヘリウムの超流動に関するものである。超流動とは、極低温において液体に粘性がなくなる状態のことで、ヘリウムの同位体の一種であるヘリウム3の超流動現象を発見し、その理論的解明に成功した。さらに微視的世界を扱う量子力学を巨視的世界の現象として検出するための理論的研究でも著名である。2003年「超伝導と超流動の理論における先駆的貢献」により、アブリコソフ、ギンツブルクとともにノーベル物理学賞を受賞した。

[編集部]

『アンソニー・J・レゲット著、高木伸訳『物理学のすすめ』(1990・紀伊國屋書店)』▽『木下是雄著『理科系の作文技術』(中公新書)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「レゲット」の意味・わかりやすい解説

レゲット
Leggett, Anthony J.

[生]1938.3.26. イギリス,ロンドン
[没]2026.3.6. アメリカ合衆国,イリノイ,アーバナ
アンソニー・J.レゲット。イギリスの物理学者。フルネーム Sir Anthony James Leggett。超流動に関する画期的な研究により,2003年にロシアの物理学者アレクセイ・A.アブリコソフ,ビタリー・ギンツブルグとともにノーベル物理学賞(→ノーベル賞)を受賞した。
1964年オックスフォード大学で物理学の博士号を取得。1967年からサセックス大学で教え,1978年に教授。1983年以降はアメリカ合衆国のイリノイ大学アーバナ=シャンペーン校教授。京都大学,東京大学でも研究した。極低温下で液体物質が摩擦や粘性なしに流れる超流動体,液体ヘリウム3が示す現象を解明した(→超流動ヘリウム3)。ヘリウム3では,超伝導金属における電子対よりもはるかに複雑な状況下において二つの電子が組んで対を形成されること(→相転移)を示し,このメカニズムの説明が,宇宙論から素粒子,液晶の研究まで幅広い科学の分野に応用された。2004年ナイト叙爵。

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