日本大百科全書(ニッポニカ) 「レシーバー制度」の意味・わかりやすい解説
レシーバー制度
れしーばーせいど
receivership
アメリカの会社更生制度。株式会社が経営困難に陥った際、破産手続をとると、資産は低い価格で処分され、無形資産は消滅して、株主・債権者等の利害関係者は大きな損失を受ける。もし再建の見込みがあるときは、破産を回避し、営業を続けながら整理するほうが利害関係者にとって得策である。このような場合、利害関係人の申立てによって裁判所は1人または数人のレシーバー(財産管理人)を任命する。レシーバーは、会社の経営を続けながら債権債務を整理し、賃貸借や売買の契約を更改し、必要な追加資本を調達して再建に努めるとともに、再建計画とその可能性を裁判所に報告する任務を負う。
[森本三男]