レーブリング(英語表記)Roebling, John Augustus

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「レーブリング」の意味・わかりやすい解説

レーブリング
Roebling, John Augustus

[生]1806.6.12. プロシア,ミュールハウゼン
[没]1869.7.22. ブルックリン
ドイツ生れのアメリカの橋梁技術者。ベルリンの工芸学校を卒業後,1831年アメリカに渡り,帰化した。ニュージャージートレントンで,鋼索製造会社を設立吊橋ケーブルで架設する空中架設法を開発,1850年代から 60年代にかけてナイアガラ,シンシナティなど4つの吊橋を建設した。この方法は,直接,橋梁架設現場で,直径 5mmのピアノ線を何本も束ねてケーブルとするもので,それまでの工場製の撚線に比べて,運搬の手間が省け,撚 (よ) りの戻りによる張力の損失がなく,長くつくれるので,長大吊橋の飛躍的進歩に貢献した。その後ニューヨーク市のブルックリン橋の建設では主任技師に選ばれ,68年着手したが,工事中の事故が原因で翌年死亡した。

レーブリング
Roebling, Washington Augustus

[生]1837.5.26. ペンシルバニア,サクソンバーグ
[没]1926.7.21. ニュージャージー,トレントン
アメリカ合衆国の橋梁技術者。橋梁技術者ジョン・オーガスタス・レーブリング長男。1857年レンセラー工科大学を卒業後,父の仕事を手伝う。南北戦争で北軍に従軍。1869年に父が死亡するとブルックリン橋建設の主任技師を引き継ぎ,特に潜函を用いた工法の開発に尽力した(→ケーソン基礎工法)。高圧環境での作業がもたらす健康障害はまだよく知られておらず,みずから重症減圧症にかかったが,病床から指揮をとり,1883年ブルックリン橋を完成させた。

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